NECソリューションイノベータが「Sigfox」とIoTで建機の稼働状況を見える化、鹿島道路へ提供LPWA

NECソリューションイノベータは、鹿島道路が建機の稼働状況を知るため報告書を基に手作業で集計していた非効率な環境を解消するため、IoTやLPWA通信を組み合わせたシステムを開発した。

» 2020年12月17日 10時00分 公開
[BUILT]

 NECソリューションイノベータは2020年12月14日、鹿島道路に、建機の稼働状況を見える化するシステムを2020年10月に提供し、現場における生産性向上に貢献したと発表した。

建機にSigfoxの通信デバイスを搭載して自動収集

 鹿島道路では、これまで日本全国に配置されている建機の稼働現場や稼働時間について、全国の各支店からの報告書を基に集計を行っていたため、タイムリーで正確な稼働状況を収集することができなかった。

 そこでNECソリューションイノベータは、IoTやLPWA(Low Power Wide Area)ネットワークなどのICTを活用して、建機の稼働情報と位置情報をセンサーで自動収集し、稼働状況を見える化するシステムを構築した。

 建機の稼働状況や位置情報を自動収集して、一元管理することが可能になれば、建機の稼働に伴う損料を正確に算出し、工事代金に反映することや遊休建機を適正に配置して稼働率をアップさせられることなどが期待される。他にも、大規模災害発生時には建機を被災地に向かわせて、迅速な復旧対応に当たれるようにもなり、建機が万一盗難に遭った場合でも、いち早く状況を把握し、建機の所在が特定できる。

 実用化したシステムでは、建機に設置する加速度センサーとGPSセンサーを備えたLPWA通信規格の一つ「Sigfox」の通信デバイスで、建機が稼働する際の振動から稼働状況を自動で検出し、GPSの位置情報と重ねることで、地図上で建機の位置や稼働状況を視覚的に確認する。また、稼働情報や位置情報は、CSVデータに出力して、別のシステムの地図上に展開することにも対応している。

システム概要 出典:NECソリューションイノベータ
マップ上に表示される位置情報表示イメージ 出典:NECソリューションイノベータ

 使用する通信デバイスは、小型軽量(170×20×27ミリ)かつ電池駆動のため、建機に容易に装着することが可能だという。

 今後、NECソリューションイノベータは、鹿島道路での設置拡大を進め、現場管理の効率化を支援していくだけでなく、2021年には、システムを建設業界へ幅広く提供することも予定している。

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