京セラは、建機や高級車の盗難防止や施設の温湿度管理、高齢者の見守りに活用できる多機能位置検出器「GPSマルチユニット」を開発した。
京セラは、「日本ものづくりワールド2020」(会期:2020年2月26〜28日、幕張メッセ)に出展し、人や物の位置検出などに役立つポータブル端末「GPSマルチユニット」を披露した。
GPSマルチユニットは2019年6月にリリースされた製品で、人に携帯させたり、機械に搭載させることで、対象の追跡と状態監視を容易に行える。同ユニットのワークフローは、取り付けられた受信機や環境センサーなどで取得したGPS情報、温度、湿度、加速度といったデータを通信方式「LTE Cat.M1」で、クラウドにアップロードし、京セラが協業する企業の各プラットフォームで数値化や分析が進められるというもの。
IoT向け通信方式「LPWA(Low Power Wide Area)」の1つであるLTE Cat.M1を採用しているため、小電力で遠距離通信や広範囲での長時間運用が容易で、低速〜中速であれば、移動しながらの利用にも応じている。
京セラは想定されるGPSマルチユニットの利用シーンとして、物流のモニタリングや盗難の検知、空調の管理を挙げている。物流のモニタリングについては、トラックにGPSマルチユニットを積むことで、走行する現在地や状況を見える化することを提案している。
高額な自動車や建機にGPSマルチユニットを積載すれば、広範囲に位置情報を得られる特性を生かし、盗難防止に貢献するという。大事なデータを保管するサーバルームや野菜を育てるビニールハウスに設置すれば、電源や通信設備を新設せずに、温湿度のチェックが可能だ。
収集したデータを可視化するプラットフォームは現在、ユニアデックス製「DataOcean」、ネコリコ製「necolico」、IoTBASE製「IoTCanvas」「ヴィークルマップ」などをラインアップしている。
DataOceanは、位置情報を利用したターゲットの盗難検知や居場所の特定、センサーで抽出したデータを用いた品質管理に有効だ。使用されるダッシュボードは、豊富なパネルで情報を視認化し、レイアウトも自在に変えられ、しきい値設定で、アラートを発信することにも応じている。
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