本連載では、京セラコミュニケーションシステム LPWAソリューション事業部 LPWAソリューション部 LPWAソリューション1課の海野晃平氏が、Sigfoxの概要やそのネットワークを利用したIoTデバイスなどを紹介。第3回となる今回は建築物における付帯設備でのSigfoxネットワークの活用事例を解説する。
第2回では、建設業におけるSigfoxネットワークの利用事例を紹介してきたが、今回は建築物における付帯設備でのSigfoxネットワークの活用事例を紹介する。
1つ目は「看板の点検保守サービス」で、このサービスは、屋外にある看板にIoTデバイスを取り付け、看板の傾きと振動を遠隔で常時監視する。屋外に設置してある看板は雨風にさらされ、経年劣化することで落下の危険性が高くなる。看板の落下事故は人身事故、器物破損を引き起こす可能性があるため、大型看板は定期的に点検することが義務付けられている。
だが、定期的点検だけでは必ずしも看板の落下を防止しないため、看板にIoTデバイスを取り付け、目視では気付くことが難しい予兆を傾きや振動で検知する。落下のリスクが高いと判断された看板を点検、必要に応じて修繕することで、事故を未然に防げる。
2つ目の「空調機管理システム」は、業務用空調機にIoTデバイスを取り付けることで、運転データを定期的に集められるようにしたもの。フロン排出抑制法の施行によって、点検や記録の保管が義務付けられたことを背景に、業務用空調機の維持管理を総合的にサポートするサービスが提供されている。
このサービスは、運転データを定期的に取得することで、点検の短時間化と点検記録の作成を実現する。また異常運転が発生したことを早期に把握することで、故障時の迅速な対応にも役立つ。
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