山崎氏がBIMモデルを更新し続ける必要性を訴えるのは、更新によってBIMモデルの正確性を維持するためだ。
BIMモデルは、設計や施工が進むと詳細度が増し、“LOD”の数値が上がっていく。BIMモデルをベースに作業を行う方法では、この詳細度が高いほど、精度の高い情報が得られると考えられがちだ。しかし、全体的にBIMモデルのLODを上げると、モデル自体が重くなり過ぎて使えないという事態が発生する。山崎氏は、「単純に詳細度を上げるのではなく、必要な時にだけ必要な分だけLODを高めることで、モデル容量を抑え、業務を平常化することが大切だ」とする。
また、「BIMモデルを成長させていくことが重要」とし、変更内容をモデルに随時反映させための体制づくりの必要性を説いた。海外では、モデル内で躯体図や平面詳細図を作成し、変更内容をその都度反映する「As-Build」という概念が普及しているが、日本ではまだ一般化していない。そのため、「FM領域にまで生かせるBIMモデル活用に、業界全体で改善しながら取り組まなければならない」と山崎氏は提言し、講演を終えた。
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