これまでのポータブル電源は重く、温度が低いまたは高い過酷な建設現場の環境で使えない、寿命が短いなどのネガティブな印象があった。ヨシノパワージャパンが販売するポタ電は、独自の三元固体電池を搭載し、コンパクトサイズと軽量性に加え、極低温から高温までの安定動作、4000回の充放電サイクルの長寿命で、従来のイメージを覆す電源だ。
米YOSHINO Tecnologyの開発製品を日本向けに輸入販売する子会社のヨシノパワージャパンは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」(会期:2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)で、世界初を謳う三元固体電池を搭載したポータブル電源を展示した。
蓄電に三元固体電池技術を採用し、これまでのバッテリーの欠点を解消するとともに性能も大幅に向上した。高性能で安全性に優れ、寿命も長く、建設現場の電源やBCP対策としても期待されている。
ヨシノパワージャパンの三元固体電池は、従来の三元系電池とは違い難燃性の三元系(リチウム、ニッケル、コバルト、マンガン)を使っている。難燃性の素材から成る電池のため、他社のリン酸鉄系半固体電池と比べて高い安全性を確保。斧や釘を使った衝撃試験でも、爆発や発火の危険性がないことを確認している。
三元系電池は、95%が固体で、残り5%未満が電解質の流れを良くする不燃性の液体。ヨシノパワージャパン 営業一課 課長 金澤慶氏は。「液体が5パーセント未満しか使われていないため、液漏れのリスクが少ない」とし、安全性も魅力の1つとした。成分に液体を含むため、全固体電池ではないが、従来のバッテリーに比べて安全性以外にも多くの優れた特徴がある。
その代表的な特徴が、幅広い温度範囲で使える耐寒/耐熱性能だ。今回ヨシノパワージャパンが紹介したモデルは、いずれの製品も-18〜60℃の温度帯で保管できる。放電時の温度帯も、大容量モデルのB2000SST(容量1326Wh)とB3300SST(容量2611Wh)は保管温度と同じ-18〜60℃の幅広い温度帯で使用可能だ。小型モデルのB600SST(容量602Wh)は-10〜60℃の温度帯で使用(放電)でき、保管は-18〜60℃だ。
金澤氏は「従来の液体を使った蓄電池だと、だいたい-10℃から40℃が使用温度の限界だった。三元系電池は、-18℃から60℃まで使用可能なので、寒い地方でも問題なく使える」とアピールした。
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