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» 2020年11月10日 07時00分 公開

パナソニックが考える「2020以降の街づくり」:施設内の密回避を可視化する「安心ゲート」の実証実験が小田急新宿で開始

パナソニックは、商業施設の来店客が密を回避しながら移動ができる「安心ゲートソリューション」を開発した。

[遠藤和宏,BUILT]

 パナソニックと小田急百貨店は、東京都新宿区の小田急百貨店新宿店で、店内の混雑状況などを可視化する「安心ゲートソリューション」の実証実験を2020年10月3日に開始した。実験の終了は2021年2月を予定している。

 2020年11月6日には、小田急百貨店新宿店で、安心ゲートソリューションの説明会を開いた。会場では、パナソニック モビリティ事業戦略室 事業開発プロジェクト プロジェクトリーダー 森俊彦氏が、実証実験を行った経緯と安心ゲートソリューションの特徴を紹介した。

店舗のマーケティングにも活用可能

パナソニック モビリティ事業戦略室 事業開発プロジェクト プロジェクトリーダー 森俊彦氏

 森氏は、「内閣官房が発表した資料“全国主要駅・繁華街エリアにおける人流の動向”によれば、新宿駅周辺では、新型コロナウイルス感染症の拡大前と比較して、来訪者が38.5%減少した。一方、三井住友信託銀行の調査月報を見ると、一般消費者が、外出自粛などの解除後に、デパートや店舗で買い物をしたいというニーズが27.6%あり、インターネット通販サイトによる購買が普及した現代でも、実店舗でのリアルなショッピングが求められている」と説明した。

 続けて、「安心ゲートは、検温デバイスやカウント用カメラ、足元除菌センサー、足元ミスト除菌装置、自動手指除菌スプレーで構成されている。実証実験では、小田急百貨店の中央口、モザイク通り口、カリヨン北口の3カ所に安心ゲートを設置し、来店者の測温や手指と足元の除菌、入館者数の測定を実施している。今後、各入口における混雑状況の情報を収集し、人混みが少ないエリアや時間帯、ルートなどをデータ化して、店舗の利用者に、店内にあるデジタルサイネージやWebサイトなどを通して提供し、密を回避しながらの移動が可能かを検証する」と付け加えた。

左から、小田急百貨店の中央口、モザイク通り口、カリヨン北口に設置された安心ゲート

 安心ゲートの上部に取り付けられた検温デバイスは、搭載されたカメラで利用者の顔を検出し、体温を測る。安心ゲートの最上部に装着されたカウント用カメラは、来店者を撮影した画像を専用システムに送信する。専用システムでは、店舗や施設内の混雑状況を検知し、来店者の年齢や性別などの属性情報も検知する。混雑状況と属性情報は、専用システムから専用サーバに送られて分析される。

検温デバイス(左)とカウント用カメラ(右)

 安心ゲートの中部に置かれた足元除菌センサーは、手を近づけると、機体下部の足元ミスト除菌装置が起動し、利用者の足元に、微細な霧状の電解除菌水を噴霧する。足元ミスト除菌装置は、パナソニックが独自開発した「ぬれにくい微細ミスト技術」を採用しており、噴射する霧状の電解除菌水はぬれにくく蒸発しやすいため、床面や衣服が水浸しにならない。自動手指除菌スプレーは、噴出口に手を接近させるだけで、電解除菌水が放出される。

足元ミスト除菌装置(左)と自動手指除菌スプレー(右)

 今後の展開について、森氏は、「さまざまな店舗に安心ゲートソリューションを導入するとともに、他の施設や鉄道などの混雑状況のデータと組み合わせ、密を回避可能なエリアや時間帯、ルートの情報として、一般消費者に提供し、コロナ禍での地域の活性化や消費拡大に貢献していく」と展望を明かした。

 また、「安心ゲートソリューションで取得した属性情報を用いて、頻繁に来店する顧客の見える化ができる他、検温デバイスの画面を用いて、任意のフロアに来訪者を誘導することも可能なので、店舗のマーケティングにも生かせるサービスとしても改良していく」と補足した。

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