日本工営は、バングラデシュの都市高速鉄道整備で、延長20キロに及ぶ5号北線の設計・施工監理業務を受注した。このうち区間内14駅の設計ではBIMを活用して、維持管理段階での業務効率化にもつなげるという。
日本工営は2020年8月下旬、バングラデシュでダッカ都市交通整備事業(MRT5号北線)のエンジニアリングサービスに係る業務を、7社から成るJV(共同企業体)で受注したと明らかにした。
MRT5号北線の事業は、急速な都市化と交通量の増加に伴う交通渋滞と、環境の悪化に直面するバングラデシュの首都ダッカで、東西に横断する都市高速鉄道を建設するプロジェクト。公共交通網のネットワークを形成し、ダッカ都市圏の輸送需要に応え、交通混雑の緩和を通じた経済の発展及び都市環境の改善に寄与することを目的としている。
MRT5号北線は、ダッカの交通ネットワークで最初に整備される東西方向を結び、日本工営が施工管理や詳細設計を手掛けているMRT6号線、MRT1号線と接続する重要な路線。南北方向に整備された各路線を横につなぎ、市内の渋滞解消だけでなく、都市交通網の機能をさらに高めることが期待されている。
プロジェクトで日本工営は、信号・通信システム、ホームドア、自動改札機、変電所、架線などの鉄道システムと、車両に関する基本設計、路線計画、駅舎・橋梁(きょうりょう)・トンネルの詳細設計、入札支援、施工監理業務を担う。また、駅設計ではBIMを活用し、メンテナンス・維持管理の効率化を図る。事業期間は2020年8月〜2032年3月の140カ月で、契約額は全体135億円のうち日本工営グループ分は約70億円。
日本工営はこれまでバングラデシュで、MRT6号線の詳細設計・入札支援・施工監理、MRT1号線の詳細設計、ハズラット・シャージャラール国際空港の拡張事業、全国送電網整備事業、ハオール地域の洪水対策・生計向上事業など、25以上の事業を手掛けており、今回のMRT5号北線はこれら事業に続く受注案件となる。
また、MRT5号北線の契約調印はオンライン形式で行われ、バングラデシュ側から道路交通橋梁省大臣のオバイドゥール・カデール氏、日本側からは在バングラデシュ日本国大使の伊藤直樹氏、国際協力機構バングラデシュ事務所長の早川友歩氏が参加した。
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