ニュース
» 2020年08月29日 06時13分 公開

メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020:実用化が期待される「災害対応ドローンソリューション」の可能性

パーソル プロセス&テクノロジーは、ドローン関連のベンダーやシステムメーカーへの支援、ドローンを使ったソリューション提案を展開している。

[松永弥生,BUILT]

 パーソル プロセス&テクノロジーは、「メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2020」(2020年7月29〜31日、インテックス大阪)内の「事前防災・減災対策推進展2020」で、災害対応ドローンソリューションのパネル展示を行った。

 ブースでは、ドローンの実機とともに、災害対応ドローンソリューションのパネル展示がされていた。担当者に、災害時のドローン活用について話を伺った。

災害時にドローンが果たす役割

 災害発生後のプロセスは、初動の対応、復旧、復興、そして平時と、段階分けができる。このうち初動対応でドローンが1番活躍できるのは、災害調査だ。

 例えば、カメラの付いた小さなドローンを飛ばし、上空から被災地の状況を確認することなどが想定される。土砂災害や水害、家屋の倒壊している場所を把握し、自治体や広域なインフラを持っている企業に情報を提供すれば、非常時には制限が掛かる人や物資のリソースを本当に必要なエリアへと的確に配分できるようになる。言い換えると、ドローン調査をもとに早期に優先度を付けて、被災地の対応に当たれるようになるため、復旧や復興に要する期間が短縮することにもつながる。

災害対応ドローンソリューション初動調査の全体像

 また、初動対応のドローン調査で判明した、支援や救援を必要としている被災エリア、孤立した集落などには、次のステップとして物資を配送する手段が必要になってくる。

 その場合、比較的大きなドローンがあれば、医薬品や水、食料といった救援物資を届けられる。同時に、物資を輸送するだけではなく、スピーカーを積んだドローンで避難誘導することも可能になる。

パーソル プロセス&テクノロジーが使用している機体。災害時にドローンが活躍できる余地は、たくさん残されている

 近年では、国内で多発する台風や豪雨、地震などの災害時にドローンが活躍する場は広がっている。2017年7月に発生した九州北部豪雨の直後には、国土交通省と内閣府、消防庁が連携し、周囲との交通が遮断した福岡県中部の山村・東峰村で、往復6キロのドローン飛行を11分行い、ドローンに搭載されたフライトレコーダーで高解像度の動画を取得し、4眼カメラによる高解像度オルソ画像を提供した事例などもある。

※ オルソ画像:写真上の像の位置ズレをなくし、空中写真を地図と同じく、真上から見たような傾きのない、正しい大きさと位置に表示される画像に変換(正射変換」)したもの。参照:国土地理院 オルソ画像について

 パーソル プロセス&テクノロジーでも、災害対応ドローンソリューションの基になった広島県神石高原町との「地産地防」のプロジェクトに、2019年8月〜2020年3月の期間、運営事務局として参画。ドローン関連企業や防災機関と連携して、「神石高原町ドローンコンソーシアム」を設立し、2019年度は災害初動、目視外飛行でのドローンによる物資輸送、担い手育成の3事業を進めた。2020年3月には、運用技術を習得した担い手が、被災地を想定した現場のオルソ画像でマップを作成し、往復2.5キロ、標高差85メートルの行程をドローンで物資を輸送した。

パーソル プロセス&テクノロジーが運営事務局と災害初動活動に参加した「神石高原町ドローンコンソーシアム」の公開実証実験 出典:パーソル プロセス&テクノロジー

 2020年の今夏、九州で起きている水害についても、具体的な活用方法はまだ明らかになってはいないが、ドローンサービス企業が数社、出動したと言う話を耳にした。

 ドローンスクールやドローンオペレーションサービスを提供する業者がここ数年で増加しており、地方自治体はそうした企業と災害協定を結び、発災時にドローンを飛ばすような仕組みづくりを進めている。

時間の効率化、コスト軽減、安全確保など、ドローン導入メリットは大きい

 一方でいまだに課題もあり、情報収集する技術はできつつあるが、災害発生時に現場が混乱している中での意思決定は非常に難しいとされる。パーソル プロセス&テクノロジーの担当者は、「仮に災害協定を結んでいても、いざ災害が生じたときにはなかなか飛ばせない。そうしたもどかしさが現場にはある」と口にする。

 そのため、「どういう状況で、誰が判断し、誰がドローンを飛ばすのか?という意思決定のプロセスは、これからの課題として残っており、各自治体やインフラ事業者がともに、災害時のドローン運用に関するガイドラインを考えていく必要がある」。そうした検討も含め、パーソル プロセス&テクノロジーでは支援していきたいと考えているとのことだ。

総力特集:

「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」

 メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)に焦点を絞った建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」が2020年7月29日、インテックス大阪で開幕する。

 コロナ禍の中で、ひさびさとなる建設展の開催となった本展では、インフラ検査・維持管理をはじめ、建設資材、防災・減災、i-Construction、労働安全衛生など、最先端の資機材やサービスが一堂に会する。特集ページでは、会場でのブース取材やセミナーレポートで、インフラの最新テクノロジーや市場動向を紹介する。

 特集ページ「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2020」へ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.