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» 2020年07月08日 07時00分 公開

コンクリートの初期強度を高める新工法、戸田建設新工法

戸田建設は太平洋マテリアルとともに、覆工コンクリート作業でコンクリートの打ち込み後に、短時間で型枠が取り外せる新工法を開発した。

[BUILT]

 戸田建設は、太平洋マテリアルと共同で、コンクリートの初期強度を高める工法「アーリークリート」を開発した。コンクリートの初期強度とは、トンネル覆工の打込みから脱型までの時間(打込みから24時間以内)に現れる強度を指す。

従来比で約150〜180%の初期強度を実現

 山岳トンネルやシールドトンネルの2次覆工コンクリート作業では、コンクリートの打ち込みから型枠の取り外しまでの時間が短く設定されていた場合、条件によっては、型枠の除去に必要な初期強度が確保されず、次の工程へ進めないことがあった。

 そのため従来の対処法は、養生温度を上げるなど、設備面での工夫により、求められるコンクリート強度を確保することが一般的だった。しかし、現場の環境によっては、養生設備が過大になることや覆工コンクリートの断面で均一に強度の発現が見込めないといった問題が生じ、コストや品質の面で必ずしも効果的な対策とは言えなかった。

使用する硬化促進剤(左)と硬化促進剤の現場への添加状況(右) 出典:戸田建設

 こうしたネックを解消したのが戸田建設が開発したアーリークリートだ。アーリークリートは、一般的な膨張材より反応が早い早強性の膨張材と亜硝酸カルシウムをベースとした硬化促進剤を覆工コンクリートに添加することで、通常使用されるコンクリートに匹敵する性能を保持しながら、打ち込み後14〜20時間で、従来と比較して約150〜180%の初期強度が可能になる。

実証試験で明らかになったアーリークリートの性能 出典:戸田建設

 両社が行った実証試験では、一般的な覆工コンクリートと比べ、アーリークリートを適用した覆工コンクリートでは、初期強度の出現が加速されるため、コンクリート組織の緻密化や長期の耐久性が向上すると判明した。

 新工法は既に、福島県が発注した道路橋梁(きょりょう)の整備工事で、山岳トンネルの覆工コンクリートに初適用されている。今後、戸田建設では、現場の環境に合わせて、アーリークリートを山岳トンネルやシールドトンネルの覆工コンクリートに導入していく。

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