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» 2020年06月17日 10時00分 公開

【第4回】日本のBIM先駆者が指摘する「日本の施工BIMは、ここに問題アリ!」(前編)BIMで建設業界に革命を!10兆円企業を目指す大和ハウス工業のメソッドに学ぶ(4)(4/4 ページ)

[伊藤久晴(大和ハウス工業 技術本部 建設デジタル推進部 次長),BUILT]
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現場監督自身がRevitを使えることで変わる現場

 現場監督として経験の少ない私が、この建物を作れたのは、Revitを使った施工BIMのおかけだと言える。Revitでモデルを作ることは、実は「考えたり、検討したりすること」と言い換えられる。どう納まるのか、どのような施工手順をすれば良いのか、足場をどうするか、安全をどう考えるのか、Revitでモデルを作りながら頭の中で思考する。そして、工事が思い描いた通りに進んでゆくのかを確認する。そういったものが、BIMモデルを作ることだと思う。

 最初の社内での施工BIMの取り組みは実務展開につながらなかったが、実際に自分で取り組んでみると、とても役に立つツールだと実感した。この違いは、現場に常駐する担当者のRevitスキルに左右される。

 ダイワユビキタス研究館でも、外部の優秀な設計者の協力で成果を出せた。これは、単に施工図や施工計画図を書くということだけでなく、モデルを作ることで、施工における問題点を解決しながら、さまざまな検討の場面でも、Revitのモデルを活用することができたからだ。

「ダイワユビキタス研究館」の施工図

 Revitによる施工図や施工計画図を外注しても、実際には3次元のモデルを使わずに、紙に打ち出した図面でチェックし、間に合わなくなると2次元CADに切り替え、その修正でなんとかしている。だったら、最初から2次元CADで図面を書けばいいのではないか。現場監督自身が、積極的にモデルを活用し、あらゆることを検討するツールとしたり、自分でRevitのモデルや図面の修正ができたりしなければ、施工BIMの価値は生まれない。現場監督がRevitを使うことは、想像できないと言われる方も多いが、私にはそれが、施工BIMを実務展開するための鍵だと考えている。

 次回は、施工BIMの問題点を探る前後編の後編として、施工BIMの本質とは何か?施工BIMがどうあるべきかを説明してゆきたい。

著者Profile

伊藤 久晴/Hisaharu Ito

大和ハウス工業 建設デジタル推進部(旧・BIM推進部) シニアマネージャー(2020年4月1日現在)。2006年にオートデスクのセミナーでRevitの紹介をし、2007年RUG(Revit User Group Japan)の初代会長となって以来、BIMに目覚める。2011年RUG会長を辞して、大和ハウス工業内でBIMの啓蒙・普及に努め、“全社BIM移行”を進めている。「BIMはツールではなく、プロセスであり、建設業界に革命を起こすもの」が持論。

近著に「Autodesk Revit公式トレーニングガイド」(2014/日経BP)。

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