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» 2019年03月25日 05時00分 公開

BIM:大和ハウスの「D's BIM」顧客満足度と働き方改革で、2020年に“全物件のBIM移行”を目指す (1/3)

2055年に売上高10兆円企業を標ぼうする大和ハウスは、成長戦略の重点施策として全物件のBIM化を進めている。これまでに実績として、パートナーシップを結んでいるオートデスクのRevitで作成したモデルで建築確認申請や設計と自社の住宅工場とのBIMデータ連携などを行っており、2018年度下期には71件でBIM化を行ったという。

[石原忍,BUILT]

 大和ハウス工業は2019年3月20日、「業界動向勉強会<第10回:BIM篇>」を東京都中央区のオートデスク本社で開催した。

 業界動向勉強会は、大和ハウス工業が業界の現状や市場動向、今後の展望を報告する勉強会で、今回が10回目。同社は2020年度末までに戸建て住宅や商業施設などの全物件で、BIMの導入を目指している。当日は、オートデスクとの戦略パートナーシップの概要やBIMの取り組み「D's BIM」などを両社が解説した。

BIM推進のために、文化/人/モノ/キズナの4つを構築

オートデスク稲岡俊浩氏(左)、大和ハウス工業BIM推進部長の芳中勝清氏(右)

 冒頭、大和ハウス工業 技術本部 BIM推進部長の芳中勝清氏が同社の成長戦略について解説。大和ハウス工業は、2055年に10兆円企業を目指しており、そのための成長戦略として、BIMに重点を置き、導入と展開を進めている。BIM自体は2006年から研究をスタートさせ、検討、検証を経て、BIM推進部を発足。2018年には実業務に適用し、2020年に全物件のBIMデータ移行を掲げている。

 芳中氏は「BIM推進部では、“文化”“人”“モノ”“キズナ”の4つの方針を立てて、戸建て住宅から大型建築物まで、広い範囲での請負行為でBIM活用を推進している。文化は業務改革、人はBIMで設計・施工できる人材育成、モノはオートデスクのRevitを中心にした技術サポート、キズナはオートデスクとのパートナーシップ。外部も巻き込みながらBIM移行を進めていく」とした。

 オートデスク エンタープライズビジネスマネジャーの稲岡俊浩氏は、2018年8月に締結した両社のBIMに関わる戦略的パートナーシップを説明。「この連携には、とくに働き方改革が重要なテーマと位置付け、ビジネス展開と技術コラボレーションを推進する。対象とする分野は、先進的なグローバル企業との交流支援、ロボット、AI(機械学習)、施工分野でのBIM活用、BIMのクラウド戦略をフォーカスエリアとして、コラボレーションを強化していくつもりだ」とした。

オートデスクの濱地和雄氏

 その上で、オートデスク AECセールスディベロップメントエグゼクティブの濱地和雄氏は、ベンダーの立場から、BIMのトレンドを紹介した。PCの登場とともに図面データ化の時代から、10年ほど前にワークステーションでバーチャルにPC上で事前検証できる最適化の時代を経て、「これからは、“つながりの時代”へと突入する」と指摘。クラウドを介してモバイル端末で、関係者が共通の3Dモデルを動かしたり、建設業で作成したBIMモデルを他の業界(SCM:サプライチェーンマネジメント、ERP:統合基幹業務システムなど)でも活用したりと、いったことが予想される。

 「BIMは単に3Dデータなのではなく、“プロセス”であり、今までの業務の流れを見直し、業務改革を伴うもの。これから、BIMデータが標準化されれば、グローバルのプロジェクトでも共有され、ビッグデータとなるため、これまで見落としていたことにコンピュータが自動で気付き、提案するようにもなる」として、BIMの未来の一例として設計AIともいえるBIMの「ジェネレーティブデザイン(Generative Design)」を示した。これは、コンピュータの中に、施主にヒアリングしたことなどをデータとして入力し、生成アルゴリズムに基づき、自動で複数の設計案が提示されるという最先端のBIMの技術。

BIMのジェネレーティブデザインによる設計例
BIMのジェネレーティブデザインによる設計例
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