ARで空間を3次元データ記録するアプリ、新機能でLiDARに対応AR

エム・ソフトは、検査・点検箇所をARで記録し、可視化するアプリ「Pinspect(ピンスペクト)」の新バージョンをリリースした。ピンの3D表示、LiDAR搭載の新型iPad Proにも標準で対応する。

» 2020年05月18日 08時00分 公開
[BUILT]

 ソフトウェア開発を行うエム・ソフトは2020年4月1日、ARアプリ「Pinspect(ピンスペクト)」の新バージョンをリリースした。Pinspectは、建物や施設、設備、インフラなどの検査・点検箇所をAR(拡張現実)で記録して可視化するアプリ。今回のアップデートでは、平面図では分かりにくかったピンの3D表示など複数の機能が追加された。また、LiDAR搭載の新型iPad Proにも標準で対応し、従来機種よりも高い認識精度で、ピンの配置、3次元情報記録が可能となる。

 Pinspectは、壁面のヒビなど問題のある箇所の3次元座標を取得し、デジタル付せん(ピン)として空間上に可視化。写真やメモを座標と紐(ひも)付けて保存することで、現場情報を図面やEXCEL形式のレポートとして出力できる。

デジタル付せん(ピン)として空間上に可視化 デジタル付せん(ピン) 出典:エム・ソフト

 Pinspectは現場空間に設置したピンを図面に自動的に反映できる。一方、2Dの平面図を前提としていたため「高さ」は確認できなかった。今回追加された新機能「ピンの3D表示機能」により、平面図では表現できない、ピンの高さ情報が直感的に確認できるという。ピンチイン/アウトで拡大・縮小や、回転させて違う角度から見ることも可能だ。

ピンの3D表示機能を追加 ピンの3D表示機能を追加 出典:エム・ソフト

 今回のアップデートでは「LiDAR」搭載の新型iPad Proにも対応した。LiDAR(ライダー)とは「Light Detection And Ranging(光検出と測距)」の略語。LiDARにより周辺環境の認識速度が大幅に早くなり、また、周辺の形状に合わせてピンが安定的に表示できるようになるなど、精度も改善されている。さらにLEDライト機能が追加されたことで、暗い現場を明るく照らして撮影できる。

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