Revitの日本仕様化を加速、意匠・構造・設備が備わったサンプルモデルを公開BIM(3/3 ページ)

» 2020年04月20日 07時00分 公開
[遠藤和宏BUILT]
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使用機会の多い中規模のオフィスビルを対象に

 今回のサンプルモデルで日本仕様化された点について、オートデスクの担当者は、「ユーザーが、国内での業務で参照してもらえるように、標準的なビルディングタイプである中規模のオフィスビルを対象とした。サンプルモデルは、建築基準法を初めとする日本の法規や基準に即しているとともに、意匠、構造、設備のモデルが整合していることで、構造躯体と内外装の取合いや、梁貫通カ所など、収まり検討がされたモデルになっている。モデルを構成する壁や柱、窓、設備といった3Dオブジェクト(Revitではファミリと呼称)についても、国内で扱われる製品や構法に沿ったものにしている」と説明した。

建築基準法などの法規への適合チェックを行るツールなど 提供:オートデスク
梁貫通まで検討された天井内の収まり 提供:オートデスク
意匠・構造・設備の整合が取れた屋上設備置き場 提供:オートデスク

 各サンプルモデルの有効的な活用法について、「Revitの扱いに慣れないユーザーが、意匠、構造、設備を一貫して利用できることやBIMツール自体の有用性を理解するための一助になると考えている。既にRevitを使用している中級や上級者のユーザーが、頭を抱えていたテンプレートの作りこみ方(図面表現や、集計表の作り方など)の参考にもなる」と話す。

 今後のRevit日本仕様化については、「意匠や構造では、日本仕様に変えるアドインが無償配布されている。例えば、構造では国内で一般に使用されている構造計算ツールの一貫計算ソフトと連携し、Revitモデルの床梁伏図や軸組図、断面リストが出力できる日本仕様のツールを提供している。設備でも、国交省基準の技術計算や配管とダクトの位置を可視化するツールも開発中で、近日中のリリースを予定している。将来的には、細かい図面修正の速度を上げるツールも開発し、公開する見通しだ。今回のサンプルモデルも、フィードバックを反映し、バージョンアップしていく」と明かした。

 続けて、「意匠、構造、設備のサードパーティーベンダー数社と、今回のサンプルモデルを対象とし、共通のモデルでデモを行い、アドインの機能を紹介するセミナーを開くことも企画している。セミナーを通して、従来の設計ワークフローがBIMを利用することで、部分最適では無く、トータルワークフローとして効率化されることを知ってもらう」と述べた。

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