オートデスクは建設業界の生産向上などを目的に、BIMソフト「Revit」の日本仕様化を進めている。このほど、意匠、構造、設備が備わったサンプルモデルを公開した。今回、各サンプルモデルの仕様や日本仕様化の見通しなどをまとめた。
オートデスクはこのほど、BIMソフト「Revit」で使える意匠、構造、設備が備わったサンプルモデルを公開した。意匠、構造、設備が備わったサンプルモデルが提供されたのは日本初で、Revitの日本仕様化を強化する一環として行われた。
建設業では深刻な人材不足が進行しており、国土交通省によると建設就業者数は2016年度平均で、ピーク時(1997年平均)と比べ、約3割減少している。働き手の減少により、建設会社は部分最適ではなく、抜本的な働き方改革が急務となっており、受注力や営業力のアップ、事業構造の改革、生産性の向上、管理業務の効率化など、具体的な取り組みが求められている。
一方、政府では、若年入職者の確保や育成を目的に、休日をとりやすい環境整備といった働き方改革を促進するため、ICTの全面的な活用によるi-Construction推進コンソーシアムや建設BIM推進会議を設置し、建設業界の生産性向上を後押ししている。
官民問わず、業界の働き方を改善する動きが活発になっていることを踏まえ、オートデスクは、建設プロセスの全体最適化をサポートすべく、今回のサンプルモデルを開発した。
意匠のサンプルモデルは、合意形成に役立つBIMモデルで、複数案を1つのファイルで検討が出来るデザインオプションという機能を用いたパースビューや複数案の使い方を例示している。3Dモデルから2D図面を書き出せるように平面図や立面図、求積図、断面図、矩計(くけい)図、展開図、天井図、建具関連図、法規チェック図などのビューもラインアップされた。3Dモデルをベースにし、2Dでの加筆や製図ビューを活用した図面表現の例も示している。
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