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» 2020年03月18日 06時03分 公開

インフラメンテナンス×AI(1):インフラ維持管理にAIを活用する方法論と最新動向、立命館大・野村教授の講演から (3/3)

[石原忍,BUILT]
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発表論文は、1入力1出力のAI学習が多い傾向

立命館大学 野村泰稔教授

 俯瞰的に発表論文をみると、基本的には1入力1出力の学習が多く、使用するシステムは複数の実績があるものから、いくつかから選定していていたり、独自に構築されていたりしているものがあった。

 同時に複数の技術を併用しているものもみられ、一例を挙げると、画像からレール継ぎ目部を検出(物体検出)し、検出されたレール継ぎ目部に対して、ボルトが脱落しているかを確認(画像認識)。

 他にも、特殊車両で走行しながら撮影した写真から、ひび割れの有無を判定(画像認識)して、ひびの有るところの本数を評価(画像認識)する技術や、SfM技術で3次元モデルを作成して損傷の検出やセグメンテーションを行い、点検記録を3Dで管理するというものがあった。

 さらに画像の中からコンクリートのみを対象にして、セグメンテーションでその領域に対しひび割れを検出。最後にひび割れ位置を示した複数画像から、SfMで被写体を3次元モデル化し、点検記録を管理するという手法も紹介された。ひび割れの検出は、通常は「色調で判断するため、影の写り込みなど誤検出が多々あるが、コンクリ領域のみを対象とすることで、格段に精度が上がる」(野村氏)。

 教師データが不均衡な場合は、そのまま訓練データに用いてしまうと深刻な性能低下につながるが、異常検知タスクでは正常データに比べ、異常データの取得は困難なことが多い。そこで、データ数の調整を行わずに不均衡データをそのまま学習に利用できる機械学習モデル「rankSVM」を使用する。別の対策では、深層学習ライブラリ「keras」には、学習時にデータ数の希少なクラスを失ったとき、ペナルティを課すことも用意されている※2。

※2 keras:https://keras.io/ja/models/sequential/

 最後に野村氏は、AI/深層学習をインフラメンテナンスに活用するためには、「点検結果の蓄積だけでは、診断までにはつながらないため、補完するモニタリングとの融合など、維持管理の戦略を最適化すべきだ」と提言した。

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