次に建設業の1人あたり月間の総実労働時間※3の推移を製造業及び全産業平均と比較してみると図表3となる。
建設業の1人あたり月間総実労働時間は、2010年が174.4時間、2018年は175.3時間となっており、多少の増減はあるが、ほぼ横ばいで推移している。製造業は2018年で170.8時間、全産業平均は同167.5時間であり、建設業の総実労働時間は製造業よりも月あたり4.5時間(年間54時間)、全産業平均よりも同7.8時間(年間93.6時間)長くなっている。
※3 総実労働時間とは所定内労働時間と所定外労働時間の合計
厚生労働省の「毎月勤労統計調査」から下記の4点が分かった。
1.建設業の1人あたり月間平均現金給与総額は増加傾向が続き、2018年には全産業平均を上回り製造業に迫っている。
2.常用雇用者数1000人以上の企業の1人あたり月間平均現金給与総額が圧倒的に高く、増加率も高い。
3.建設業の1人あたり月間平均現金給与総額の増加をけん引しているのは、比較的規模の大きい企業である。
4.建設業の総実労働時間は製造業、全産業平均よりも長く、改善もあまり進んでいない。
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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