本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をさまざまな観点からレポートしている。今回は、建設業の1人あたり月平均給与と1人あたり月労働時間について分析している。
今回は、給与及び労働時間の実態を把握するために毎月おこなわれている厚生労働省の「毎月勤労統計調査」から、建設業の1人あたり月間平均現金給与総額※1と、1人あたり月間総実労働時間の推移をご紹介する。
建設業の一般労働者※21人あたり月間平均現金給与総額の推移を製造業及び全産業平均と比較して見ると図表1となる。
建設業の1人あたり月間平均現金給与総額は、2012年の37万9866円から増加が続き、2018年には対2012年比111.9%の42万4929円となり、全産業平均の42万3467円を若干上回った。製造業は、2014年の42万5844円から、2015年には42万210円に減少し、その後も伸び率は低く、2018年には建設業との差異はわずかになっている。
※1 現金給与総額とは、決まって支給する給与(所定内給与+所定外給与)と特別給与(ボーナスなど)の合計額
※2 一般労働者とは、常用労働者のうちパートタイム労働者以外の者
2018年の建設業の1人あたり月間平均現金給与総額を常用雇用労働者数規模別にみると、常用雇用労働者数が1000人以上の企業の1人あたり月間平均現金給与総額は69万4445円なのに対し、30〜99人の企業は44万5492円、5〜29人は37万3530円となり、企業規模による差が非常に大きい(図表2)。
また、対2013年比の増加率を見ると、1000人以上の企業が32.2%と大きく伸びているのに対して、30〜99人は7.0%、5〜29人は8.6%と伸び率は低く、建設業の給与の増加をけん引しているのは、比較的規模の大きい企業であることが分かる。
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