ダイダンは、スポットエアコンを柱に連結するユニットを開発した。アイシングループの自動車部品メーカー・九州シロキの北九州市にある第3工場で導入されたという。
ダイダンは2019年12月、市販のスポットエアコン室内機を柱に連結するためのユニットを開発したと発表した。
ユニットの採用により、床に設置するスペースが不要となり、作業員のいるエリアへ効率的に空気を届けることが可能となり、省エネルギーかつコンパクトな空調システムが構築できる。
これまで、工場空調で多用されるスポット空調システムは、作業者の移動に対応できずに快適性が損なわれることが少なくなかった。ダイダンの柱上連結ユニットは、スポット用の市販マルチエアコン室内機を連結することで風量が増大。空調空気の到達距離も伸び、より広い室内エリアをカバーする。
また、冷媒方式のマルチエアコンを使用しているため、ダクトによる空調機方式に比べると30%のコストダウンが見込める。
ユニット自体は、スポットエアコン室内機を縦に4連結し、背部を吸い込みチャンバーにした構成で、標準的なH鋼などの柱の3〜5メートル程度の高さに設置する。床置型に比べ、床上に置くスペースや床近傍の配管が不要になり、設置した柱の下部に消火栓などを置くといった下部空間の有効活用も可能になる。
ユニット背面の室内空気の吸い込みチャンバー部分には、オイルミストフィルターを内蔵できる。切削などの工程で発生し、工場内に浮遊するオイルミストを集め、環境改善と作業者の快適性も向上される。フィルターの交換は容易で、快適な作業空間の維持に手間が掛からない。
既に導入されている福岡県北九州市の九州シロキ第3工場は、延べ床面積約9800平方メートルで、電気・空調設備工事はダイダンが担当した。
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