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» 2019年02月21日 08時00分 公開

工期わずか10日間、ダクト工事不要で既存病院にも省スペースで設置可能なクリーンルーム

ダイダンは、再生医療向けに細胞を培養・加工するためのクリーンルーム「CPF(Cell Processing Facility:細胞培養加工施設)」をユニット化した「オールインワンCPユニット(CP:Cell Processing)」を開発した。既設の医療施設にも短期間で導入でき、病院などの治療用細胞を培養・加工するクリーンルームをコンパクトかつ安価に構築することが可能となる。

[石原忍,BUILT]

 ダイダンは、再生医療向けに細胞を培養・加工するためのクリーンルーム施設をユニット化し、既存病院やクリニックへの導入が短期かつ省スペースの「オールインワンCP(CP: Cell Processing)ユニット」を開発した。

2019年度内に既存病院やクリニックへ3台の導入を目標に掲げる

 オールインワンCPユニットは、細胞培養作業するためクリーン度を要求される「ワークエリア」、作業者のサポートを行う「サポートエリア」、資材置き場の「サプライエリア」、パッケージエアコンが備えられている「メンテナンス室」の他、更衣室、パスボックスで構成。気流によるエアバリア技術を適用しており、異なる清浄度グレード間の扉が無く、スムーズな動線が確保されている。再生医療を行う、クリニックや病院へのクリーン環境の増設で採用を見込む。

オールインワンCPユニットの構成 出典:ダイダン

 ダイダンはこれまでに、次世代CPFを搭載した再生医療関連のオープンイノベーション施設として「セラボ殿町」を開設。以来、多くの医師や研究者から、細胞を培養・加工するためのクリーン環境について、さまざまな要望を受けてきたという。

 そうしたニーズに応える形で、細胞培養・加工作業を行う安全キャビネットまわりの環境を手軽にクリーン化できる「エアバリアブース」を2015年に開発。その後も、エアバリアブースと、カネカ、テルモBCTの技術を採り入れ、エアバリアブースと密閉式の自動培養装置を組み合わせたクリーンルームが無い一般環境でも、治療用の細胞培養が可能な「スマートCPユニット」を2017年から展開してきた。

 しかし、医師の主導のもと再生医療向けに細胞を培養・加工するには、エアバリアブースだけでなく、CPFと呼ばれるクリーンルーム施設が必要とされており、CPFを構築するスペースやコストが障壁となって、既設の病院やクリニックへの導入はなかなか進まなかった。

 課題解決のため、ダイダンは、いままで培ってきた気流制御によるクリーン化技術を発展させ、CPFをユニット化して簡易に省スペースで構築できるオールインワンCPユニットを開発するに至った。

オールインワンCPユニット 出典:ダイダン

 このユニットは、再生医療用のクリーンルームである細胞培養加工施設(CPF)に必要とされる“更衣室”から“細胞調製室”までの一連の機能を1台に集約。設置時にダクト工事が不要で、既存施設へも導入でき、工期は10日間程度で済む。CPFを一から構築する場合に比べ、病院向けの最少サイズで70%削減した省スペースに収まる。

 サイズは5000(幅)×2300(高さ)×4500(奥行き)mm(ミリ)。予定価格は、工事費は別途で1920万円。

 ダイダンでは、再生医療を実施するクリニックや病院でのクリーン環境増設をターゲットに、2019年度中で3台の販売を目指している。

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