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» 2019年12月11日 07時00分 公開

山岳トンネル工事:西松建設が覆工コンクリート施工作業を完全機械化化し現場に導入

西松建設は、作業員の高齢化や新規入職者の減少を踏まえ、山岳トンネル工事の覆工コンクリート施工作業を完全機械化した「自動化セントル」を開発した。

[BUILT]

 西松建設は2019年10月、岐阜工業と共同で、山岳トンネル工事の覆工コンクリート施工作業を完全機械化した「自動化セントル」を開発し、西松建設が施行中のトンネル現場に導入することを発表した。

通常5、6人の作業を完全機械化

 山岳トンネル工事における覆工コンクリートの施工は、セントル(移動式型枠)を所定位置に据え付け、次にコンクリートの打込み、その後、脱型・移動を基本作業としている。これらの作業は、通常5、6人ほどの作業員で行われているが、作業員の高齢化や新規入職者の減少などを背景に、作業の機械化が求められている。

 また、昨今のトンネルの大断面化や長距離化に伴い、施工を効率化する自動化技術へのニーズも上昇基調にある。すでに、コンクリートの打込み作業では、配管の切替えや締固めといった基本作業への機械化も進んでいるが、覆工コンクリートの施工に関わる一連の作業(セントル据え付け、コンクリート打込み、脱型・移動)を全て機械化し、体系的にまとめた施工技術はまだなく、早期の実用化が切望されていた。

自動化セントルのイメージ

 今回、開発された自動化セントルは、覆工コンクリートの施工をアシストする各種装置や機能を搭載しており、セントルを用いた覆工コンクリートの施工作業を完全機械化した自動施工技術。従来の人力で行っていた作業を機械化することで、人員の削減や作業時間の短縮につながり、生産性を大幅に向上すると期待されている。

 主な機能として、セントルの自動据付けやコンクリート打込み作業の自動化を備えている他、脱型・移動作業を効率化する設備を装着している。

 セントルの自動据付けは、セントルに付属するジャッキ類の改造と新たな制御システムの導入により、セントル自体の上下・左右・縦断方向の3次元的な微小駆動をミリオーダーで制御可能とした。

 トータルステーションを用いたトンネル内におけるセントルの自己位置の把握や独自センサー技術を併せて使用することで、セントルを所定位置へ安全に自動で据え付ける機能が備わった。これにより、従来は複数の作業員で行っていたセントルの据え付け作業を大幅に省人化したという。

 コンクリート打込み作業の自動化は、締固めを不要とする高流動コンクリートを採用。加えて、コンクリートの打込み進行状況に連動して、セントル内のコンクリート配管をあらかじめ指示した箇所に自動で切り替えられる装置を導入した。この装置は、作業員の負担軽減とコンクリート打込み作業の省人化、コンクリートの高品質化に貢献する。

 脱型・移動作業の効率化は、従来、作業員が人力で行っていたセントルの脱型作業を、ジャッキ操作のみで全て進められるように改造することで可能にした。移動後に実施する型枠表面の清掃や剥離(はくり)剤の塗布といった作業も自動装置で対処できるという。

 これらの機能に関する機械操作の指示内容や測定結果などは、全て専用のモニター上に映し出されるため、職員は現地で、作業の進行状況を確かめながら、安全で無駄の少ない施工に取り組める。

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