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» 2019年05月09日 06時23分 公開

山岳トンネル:施工速度3倍の「山岳トンネル急速改修工法」、1車線でも各工種の連続施工が実現

鉄建建設ら3社は、山岳道路トンネルで改修・更新工事の工期を短縮する「山岳トンネルインバートの急速改修工法」を開発し、特許申請を行った。

[BUILT]

 鉄建建設と植村技研工業、他1社は、供用中の山岳道路トンネルで、インバート改修・更新工事の工期を短縮する「山岳トンネルインバートの急速改修工法」を開発した。

埋戻し材は発泡スチロールブロックのため、人の手でも施工可能

 山岳トンネルでは、建設時の地山状況により、トンネル下部に外圧を抑制するリング状の「インバート」を設置しなかったため、供用後に路面下の地山の劣化や強度低下で、舗装の隆起やひび割れなどの変状が発生する場合がある。近年は、大規模修繕工事やリニューアル工事の一環として、トンネルの長期安定性を確保するため、変状が発生している区間にインバートを設置する工事が増えているという。

 新工法は、狭あいな施工箇所で函渠(かんきょ)敷設工事をする際に用いられるオープンシールド機を応用したトンネル改修装置を用いる。施工手順は、トンネルインバートの半断面を掘削し、トンネル改修装置後方に設置した吊(つ)り降し設備でプレキャストコンクリートブロックを移動・設置してインバートを構築。埋め戻し材には、EPS(発泡スチロール)ブロックなどの軽量な材料を採用し、重機を使用せずに人の手だけでも施工することができる。

オープンシールド機を応用したトンネル改修工法 出典:鉄建建設

 供用中のトンネルでは、迂回路(うかいろ)の確保や4車線あるうちの2車線を対面通行に切り替えることが難しく、車線規制を敷いて車両を通行させながら施工するケースでの適用を想定している。

 従来の工法では、トンネル縦断方向の土留め設置から始まり、インバートコンクリート構築での掘削・現場打設・養生、敷均(しきなら)しや締固め作業を含めた土砂や砕石による埋戻しの順に施工をしていく。しかし、1車線分の限られた空間での作業のため、重機の入れ替えや材料の搬入が制限され、1工種ずつしか工程を進められず、必要以上に時間を要していた。

 新工法では、トンネル改修装置とプレキャストコンクリートブロックで、土留め杭が不要となり、コンクリートの打設・養生が大幅に削減される。また、埋戻し材にEPSなどを用いることで人力での施工が可能となり、重機や材料の搬出入そのものが減り、敷均しや締固め作業も少なくなる。従来工法と比べると、作業の簡略化と各工種の連続した施工が可能となり、施工速度はおおよそ3倍にスピードアップすることが見込まれる。

新旧の工法比較 出典:鉄建建設
新工法の側面図概要 出典:鉄建建設

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