三井住友建設がSMC-Tunnelingシリーズ「きれい ni 発破」を三陸沿岸道路気仙沼1号トンネル工事に初適用した。
三井住友建設は2019年10月15日、トンネル発破における適正火薬量をリアルタイムに自動算定し、余掘りの低減や過装薬の防止を実現するSMC-Tunnelingシリーズ「きれい ni 発破」を宮城県三陸沿岸道路気仙沼1号トンネル工事に初めて適用したことを明らかにした。
「きれい ni 発破」は、トンネル発破掘削作業における適正火薬量を自動算定し、リアルタイムでタブレット表示するシステム。「削孔検層データによる岩盤状況の把握」「余掘り量計測」「適正火薬量の算定」を主要機能とする。
削孔検層データによる岩盤状況の把握では、計画発破パターンを装薬孔の削孔位置ごとに17ブロックに分割し、ドリルジャンボに搭載した切羽カメラ画像と合成。削孔検層データは無線LAN を介して現場事務所のサーバに即時転送するので、ブロックごとの岩盤状況をリアルタイムに解析できる。
余掘り量計測では、車両搭載型の3Dレーザースキャナを活用することで、発破直後の素掘り状態の切羽を約1分間という短時間で計測。三次元余掘りデータと使用した火薬量の相関データを算出する。
適正火薬量の算定では、前方地山の岩盤状況データと上記の相関データから、適正火薬量を自動的に算定。ブロックごとに色分けしてジャンボ搭載モニターやタブレットに表示し、作業箇所の視認性を向上させた。
今後について三井住友建設は、「きれい ni 発破」を積極的に現場活用していくことで精度の向上を図るとともに、切羽へのマッピング技術の適用を検討し、本システムの改善を図ることでさらなる生産性の向上を行っていきたいとしている。
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