山岳トンネル二次覆工のPCa化推進へ、実証実験を実施山岳トンネル工事

 清水建設は日本建設機械施工協会施工技術総合研究所、IHI建材工業と共同で、セグメントタイプのPCa部材を用い山岳トンネルを二次覆工する「分割型PCa覆工システム」を開発し、覆工体の自立性を検証する実証実験を行った。

» 2019年09月13日 07時00分 公開
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 清水建設は2019年8月8日、日本建設機械施工協会施工技術総合研究所、IHI建材工業と共同で、セグメントタイプのPCa部材を使って山岳トンネルを二次覆工する「分割型PCa覆工システム」を開発し、覆工体の自立性を検証するための実証実験を行ったと発表した。

photo 実証実験のイメージ 清水建設

 分割型PCa覆工システムは、既に確立しているシールド工事のセグメントの設計手法を応用し、複数のPCa部材を馬蹄形に組み立てトンネルの覆工体を構築する工法。最終的には覆工体の裏側にエアモルタルを注入し、一連の作業が終了する。

photo 組立状況 清水建設

 今回の実証実験では、内空断面80平方メートルのトンネルを想定。弧長2.8メートル、幅1.0メートル、厚さ140ミリメートルの鉄筋コンクリート製PCa部材6本、2セットで覆工体を構築した。鉄筋コンクリート製部材を使うことで、無筋の現場打ち二次覆工コンクリートの2分の1まで厚さを抑えることを可能にした。

 PCa部材の組み立て作業用に設置した鋼製架台をジャッキダウンしたところ、覆工体の形状を維持して自立することを検証した。部材の組み立て時には、PCa部材の接合に必要な力、組み立て後は鋼製架台にかかる荷重を測定。これらのデータは、仮設機械の設計にフィードバックするという。

 清水建設は、シールド工事のセグメント用継手を用いることでシステマチックに組み立て可能なことや、部材の小型化により、生産性の大幅な向上が期待できるとしている。今後も実証実験を継続し、システムの早期実用化を目指す。

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