安藤ハザマは、マシンガイダンス機能付きのドリルジャンボで取得した施工データを活用し、切羽での掘削出来形データと比較することで、地山状況に応じた最適な発破パターンを算出できる作成プログラムを開発した。
安藤ハザマは、山岳トンネル工事の発破作業を最適化する発破パターン作成プログラムを開発した。既に4つのトンネル現場で適用し、発破作業の大幅な効率化がもたらされたという。
発破パターン作成プログラムは、岩盤の硬さなどの基本情報を入力することで、発破パターン作図に必要な孔間隔や抵抗線長を決定する発破設計プログラムと、発破設計プログラムで算出した情報をもとに、個々の孔位置を座標化する発破パターン描画プログラムで構成されている。
開発にあたっては、これまでにマシンガイダンス機能付ドリルジャンボで蓄積してきた設計位置への装薬孔の穿孔(せんこう)や孔の位置といった施工データをベースに、岩盤状況に応じた孔間隔や抵抗線長の決定方法を再定義した。
発破パターンの描画プログラムは、発破設計プログラムで算出した孔間隔や抵抗線長(岩盤内の爆薬から破砕される側の岩盤表面の自由面までの距離)をもとに、個々の孔配置を座標化する。その後、座標化したデータをマシンガイダンスに読み込ませて発破を行う。
プログラムによるメリットとしては、マシンガイダンス機から得られる地質情報や掘削出来形情報をもとに算定するため、発破ごとの最適発破パターンを短時間で作成することが可能になり、次の発破へも容易に適用することが実現する。
導入した現場では、発破作業での穿孔長、穿孔時間、装薬量が2〜3割削減された他、想定した範囲を破砕する精度が大幅に向上し、余掘り量の大幅な低減にもつながったという。
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