三井住友建設は、持続可能性に貢献する高性能なコンクリート「サスティンクリート」を、非鉄製材料を用いた超高耐久プレストレスト橋梁(きょうりょう)に適用したと発表した。
三井住友建設は2019年7月、高性能コンクリート「サスティンクリート」を、非鉄製材料を用いた超高耐久プレストレスト(PC)橋梁(きょうりょう)に適用したと発表した。適用に向け、千葉県流山市の同社の技術研究所において実大桁を用いた曲げ載荷試験を実施し、実橋で要求される性能確認を完了した。
サスティンクリートを適用した同橋梁は、コンクリートのひび割れの原因となる乾燥収縮と自己収縮がほぼゼロだ。PC鋼材の代わりに腐食しないアラミドFRPロッドと組み合わせることで、腐食劣化のない高耐久性を持つ。
また、セメントを使わないためCO2の排出量を大幅削減できる上に、材料の約7割が産業副産物という性質上、環境に与える負担も低減できるという。さらに、高い圧縮強度と流動性に優れた鋼繊維入りの配合を新たに開発し、せん断補強筋を不要にした。配筋作業とコンクリート充填作業の手間を省くことによって施工時の生産性向上につながるとしている。
三井住友建設では、超低収縮かつ低環境負荷のサスティンクリートと、アラミドFRPロッドの緊張材を組み合わせた「世界初」(同社)の橋梁として、同社の関係会社であるSMCプレコンクリート(栃木県小山市)のコンクリート二次製品工場敷地内に架設予定としている。今後も同橋梁を架設後も桁のたわみやひずみを長期にわたって計測し、安全性と耐久性を検証する。社会インフラの構築に向けて引き続き技術開発に取り組んでいくということだ。
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