一方、CBRE Vantageは、JEMからデータを受け取り、技術者への作業手順の通知と、カスタマイズされたデータ分析を行う。
CBRE Vantageは、見える化、自動化、データ分析などを可能にする一連の技術で、テナント計画やリース計画のアジャイル計算、ポートフォリオ最適化など、さまざまなツールが搭載されており、商業用不動産の取り引きにおいて、あらゆるステージでの活用が見込めるという。
1992年に竣工した33階建てのSCBビルでは、プロジェクトによって最適運用を実現し、オフィスの年間エネルギーコストを7%削減することを見込む。過去のエネルギー消費傾向をベースに算出すれば、今後数年間にわたってエネルギーコストと運営コストは5〜7%抑えられるという。
スタンダードチャータード銀行では、大幅な経費削減を目的に、同様の改修をアジア各地にある113カ所の拠点でも実施する。既にシンガポール、中国、韓国、日本、インドでは、オフィスの管理運営状況の把握と事前情報や予測データを取り入れたHVAC(Heating,Ventilation and Air Conditioning:暖房、換気、空調)のアセットマネジメント戦略により、エネルギーコストで年間5〜15%、修繕維持費に至っては年間5〜10%の低減を掲げる。
スタンダードチャータード銀行で、エンジニアリングやエネルギー、環境部門の統括責任者を務めるダレン・シアー(Darren Sear)氏は、「省エネと経費削減による改善は、期待以上の効果を上げており、内装も現代的に改装することで古典的なビルが活性化した。今後、同様の取り組みをアジア太平洋地域のより多くの都市で展開することで、当行のオフィスビル間であらゆる情報がつながり、効率運営や省エネオペレーションが現実のものになると期待している」とコメントする。
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