三菱地所は、自動走行可能な警備ロボット「SQ-2」を東京・丸の内エリアの防災訓練で初活用した。訓練では他に、VR防災体験車を用いた地震の疑似体験の他、訪日旅行客や外国人労働者に対する災害時の対応を想定した訓練を行った。
三菱地所は2019年8月30日、東京・丸の内エリアで、東日本大震災クラスの大地震を想定し、三菱地所グループ社員約1250人と関係先が参加する丸の内エリア一帯を対象とした防災訓練を行った。訓練は、三菱地所の前身である三菱地所部が、1923年の関東大震災時に、同じ年に竣工した旧丸ビルを中心に、救護活動を行ったことをきっかけにスタートし、今回で93回目を迎える。
93回目となる訓練では、まず、大手町パークビルで、2019年8月29日に同施設に導入した自動走行可能な警備ロボット「SQ-2」を非常時に活用する試みを実施した。訓練の流れは、SQ-2を通常の警備をしている状態から仮救護所に自律走行させ、ロボットに搭載したカメラなどを用いて遠隔地のスタッフと通信し、トリアージ後の負傷者役の外国人に対して、状態確認やサポートを英語対応で行った。同様に丸の内ビルディングにも、SQ-2が配置して、両施設の負傷者の状況などを確かめられる環境を構築した。
丸の内ビルディングでは、訪日旅行者や外国人労働者向けの帰宅困難者受け入れを行った。英語での口頭対応や2016年にリリースした三菱地所製アプリ「接客音声翻訳」、多言語会話集を使用し、参加者の外国人に応対した。また、英語仕様のAEDの実演や体験会も開かれた。
行幸通りでは、駐車されたVR防災体験車で、最新のVR技術を活用し、360度の立体映像と揺れ・風圧・熱などの体感する演出で、外国人や三菱地所の社員が大地震を疑似体験した。
総合訓練の最後の場となった丸の内二重橋ビル前では、東京消防庁丸の内消防署と丸の内消防団が連携し、消防活動を実施した。はしご車を使用した救助や負傷者搬送救護から一斉放水までの一連の消防演習を行った。なお、丸の内二重橋ビルは、2018年10月竣工のため、ビル総合防災訓練は今回が初めてとなる。
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