調査リポート
» 2018年09月25日 06時00分 公開

防災・減災やインフラ老朽化対策に大幅な予算計上、国交省の2019年度当初予算

ヒューマンタッチ総研は、国土交通省の2019年度(平成31年度)予算概算要求から分析した建設業の将来見通しをまとめた。

[石原忍,BUILT]

 人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は2018年9月19日、独自レポート「2019年度予算概算要求から見る建設業の将来見通し」を公表した。

2019年度予算概算要求は2018年度比119%の6兆1736億円

 レポートによると、国交省が2018年8月末に発表した「2019年度予算概算要求」における公共事業関係費の要求額は、6兆1736億円(2018年度当初予算比119%)だった。概算要求における公共事業関係費の要求額の推移をみると、直近4カ年は前年度の当初予算比116%程度で推移していたが、2019年度はおよそ3ポイント上昇して119%となるなど、例年以上の増額要求となっている(図表1)。

概算要求における公共事業関係費要求額の推移と、前年度当初予算比の増減率

 主な予算項目では、「水防災意識社会」の再構築に向けた水害対策の推進に5273億円(同133%)、地域における総合的な防災・減災対策、老朽化対策などに対する集中的支援に1兆3431億円(同121%)、将来を見据えたインフラ老朽化対策の推進に5440億円(同121%)などを要求するなど、防・減災やインフラ老朽化対策などを中心に2018年度当初予算を大きく上回る金額が計上された(図表2)。

主な予算項目・要求額・概要

 東日本大震災や熊本地震、2018年西日本を中心に発生した豪雨など、自然災害が多発する中で、防・減災対策は重要な課題となっており、要求額は大幅に増加している。

 また、国交省の試算によると、2013年度のインフラなどの維持管理・更新費用は約3.6兆円だったのに対し、10年後の2023年度は4.3〜5.1兆円、20年後の2033年度は4.6〜5.5兆円程度に増大すると推計されており、インフラの老朽化対策についても予算額は上昇傾向が続くと予測。

 この他、建設業の働き方改革の推進に1億2700万円(同153%)、誰もが安心して働き続けられる建設業の環境整備に1億円(同175%)、ICTの全面的活用により建設現場の生産性向上を図る「i-Construction」の推進に23億円(同139%)をそれぞれ計上。

 また、建設業の人材確保・育成に向けては、厚生労働省も「建設事業主等に対する助成金による支援」に58億4000万円(同110%)を要求しており、両省が連携した政策的支援が今後も維持される見込み。

 ヒューマンタッチ総研所長・高本和幸氏(ヒューマンタッチ代表取締役)は、2019年度の国交省予算概算要求における公共事業関係費の要求額は、 防・減災対策やインフラ老朽化対策等を中心に18年度当初予算額を上回り、 例年以上の伸び率となりました。 近年の地震や集中豪雨等の発生を受け、 防・減災に対する継続的な対策は必須であると考えられ、 こうした自然災害や、 老朽化する社会インフラへの対策を中心に、 今後も予算額は伸び続けるでしょう。

 また、 人材確保・育成、 i-Construction推進への要求額も大幅に増加しており、「2019年度の国交省予算概算要求における公共事業関係費の要求額は、防・減災対策やインフラ老朽化対策などを中心に2018年度当初予算額を上回り、例年以上の伸び率となった。近年の地震や集中豪雨などの発生を受け、防・減災に対する継続的な対策は必須と考えられ、こうした自然災害や老朽化する社会インフラへの対策を中心に、今後も予算額は伸び続けると思われる。また、人材確保・育成、i-Construction推進への要求額も大幅に増加しており、働き方改革と生産性向上を車の両輪として建設業を大きく改革する方向性に進んでいる」とコメント。

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