VRで“オンリーワン”の家づくり、「社長の邸宅」プロジェクトBIM/CAD(1/2 ページ)

注文住宅・デザイン住宅を手掛けるフリーダムアーキテクツデザインは、会社経営者などの富裕層に向けた家づくりプロジェクト「社長の邸宅」を開始する。VRを活用した設計手法や、プラットフォームサービスを利用して世界中のデザイナーとの協業を行い、“オンリーワン”の家づくりを支援するという。

» 2017年07月27日 06時00分 公開
[陰山遼将BUILT]
「社長の邸宅」プロジェクトのロゴ

 注文住宅・デザイン住宅を手掛けるフリーダムアーキテクツデザイン(以下、フリーダム)は2017年7月26日、建物価格が1億円以上の住宅を対象とする、会社経営者などの富裕層に向けた家づくりプロジェクト「社長の邸宅」を開始すると発表した。VRを利用した設計手法を活用する他、同社が中心となりながら音響や家具メーカー、さらには世界中のインテリアデザイナーと連携し、土地探しまでを含めたオンリーワンの家づくりを実現するという。

鐘撞氏

 フリーダムは設立22年目を迎える独立系設計事務所で、現在年間約400棟の注文住宅・デザイン住宅を手掛けている。そのうち数件が建物価格1億円以上の案件になるという。

 同社の代表取締役社長を務める鐘撞正也氏は「富裕層の方にヒアリングをしてみると、多くの方が住宅展示場かネット検索で家づくりの依頼先を決めており、さらに80%以上の人が土地探しから始めている。依頼先にはハウスメーカー、建築家、工務店などがある。しかし、インテリアまでを含め、自分の思いやこだわりを具体化できる住宅設計、さらには土地探しからファイナンスの部分までをカバーできる最適な依頼先は無いのではないかと気付き、このプロジェクトを立ち上げることにした。豪邸の市場をフリーダムが獲りにいく」と語る。

VRでオンリーワンの住宅を設計

 社長の邸宅では、まずフリーダムの専門担当者が顧客の希望エリアでの土地探しを行う。土地が決まった後は、こちらも担当者がサポートし、ローンや資金計画などファイナンスの計画を立て、その後住宅の設計に入る。

 設計において特徴的なのが、VRを活用する点だ。フリーダムでは以前から一部の案件にBIMを導入している。利用しているBIMソフトウェアはAutodeskの「Revit」だ。初期段階からRevitで設計を行い、外観や内部空間までを全て3Dモデルで作成。そしてこのBIMデータを「Autodesk LIVE」や「Autodesk Stingray」でVRデータに変換し、ヘッドマウントティスプレイ「HTC Vive」で閲覧する仕組みだ。

 フリーダムでは、このワークフローを「VRアーキテクツシステム」というサービスとして既に展開している。顧客は3Dモデルの中を実際に歩くように体感し、奥行感や天井高、家具のレイアウトなどを現実に近い感覚で確認できる。導入以降、平面図によるやりとりだけでは分からなかった顧客ニーズの把握や、設計品質の向上に大きく貢献しているという。

「VRアーキテクツシステム」のイメージ 出典:フリーダムアーキテクツデザイン
設計変更によって、室内に入ってくる日射量がどのように変化するかなども具体的に確認できる(クリックで拡大)

 社長の邸宅プロジェクトには、音響、家具、家電メーカーなども参画する。現時点では、バング&オルフセン ジャパン、テクノジム ジャパン、セブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズ、ニチエス、ジャクソン、グローエジャパン、トーヨーキッチン、ミノッティなどの参画が決まっている。一部のメーカーは、製品の3Dモデルをフリーダムに提供する。大型の家具なども含め、より具体的な住宅空間の3Dモデルを体験できるように支援していく。

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