AYUMI BIONICSは、動作解析技術により現場従業員の心身機能や労災リスクを判定するAIシステム「AYUMI Scan」を「第12回 労働安全衛生展」に出展した。
慶應義塾大学発のスタートアップAYUMI BIONICS(アユミバイオニクス)は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」と同時開催の「第12回 労働安全衛生展」(会期:2025年7月23日〜25日、東京ビッグサイト)に、従業員の動作をAIが自動で解析して、心身状態や労災リスクを可視化するアプリケーション「AYUMI Scan(アユミスキャン)」を出展した。
従業員がタブレットやスマートフォンのカメラに向かってアプリで指示された動作をするだけで、筋力/バランス/認知機能/反応速度などの複数項目の検査が行える。
AYUMI Scanは、動作解析技術により現場従業員の身体機能を判定するAIシステム。デバイス1台で問診と体力測定が完了する。
測定者は音声ガイドに従って、問診の回答と、立位保持やスクワットなどの指定された動作をカメラの前で行う。撮影した映像をAIがリアルタイムで解析し、すぐに測定結果を表示する。
既に製造業や設備管理業で実績があり、担当者は「端末さえあれば測定が行え、装着する機器もなく、管理者や測定者の負担を最小限に抑えられるのが強み」だと話す。
AYUMI Scanの特徴の1つが、測定結果をもとにしたフォローアップだ。測定後には個人ごとにフィードバックレポートを発行。推奨される運動や生活習慣のアドバイスが記載されているため、健康維持や転倒予防に役立てられる。管理者側では、必要に応じて個人へのフィードバック面談や就業継続に向けたサポートが行える。
計測データはクラウド上の管理者用ダッシュボード「AYUMI Board」で一元管理。個人の足腰年齢や総合リスクなどの健康状態を一覧表示するだけでなく、ハイリスク者の抽出や部署ごとの統計比較、業務適性の見極めにも利用できる。リスクの高い作業者が多い業務ラインを特定して、配置換えなどの対応が可能になる。
「測定して終わりではなく、次の行動につなげるのがこのアプリの価値」と担当者は説明する。単なる健康チェックではなく、現場の安全マネジメントにつなげられるのが強みだ。建設場でも新規入場者のチェックやリスクの高い作業への適性判断、配置の判断材料など複数のシーンでの活用が見込まれる。
今後の展開については、「入場者が毎日変わるなどの建設業特有の課題にも柔軟に対応できるよう、現場ニーズを把握し、機能のカスタマイズにも対応していきたい」と語った。
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