マンションインターフォンでオートロック解錠、置き配や訪問介護に対応 パナソニックEWとライナフが連携:FM(3/3 ページ)

» 2026年10月29日 19時00分 公開
[黒岩裕子,BUILT]
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配達時間を1日最大30分短縮 サービス導入を機に新規利用も

 発表会では、ライナフコネクトを利用するサービス事業者が、これまでの導入効果や今回の協業への期待を示した。

 東京都、埼玉県、千葉県の1都2県で宅配事業を展開するコープみらいは、主力のコープデリ宅配事業において、76の配送拠点と約4000台のトラックで夕食弁当やミールキットなどを配送している。配達の際、特にオートロック付きマンションでは、居住者の在宅時間に合わせた個別対応が求められ、配送ルート全体の遅れにつながることがあった。

 ライナフコネクトを利用することで、配達効率の改善と組合員の利便性向上を実現。コープみらいの配達担当者へのアンケートでは、約8割がライナフコネクトの利用によって再配達や時間調整の負担軽減を実感したという。配達時間は1日当たり平均15分、最大30分程度が短縮された。さらに、従来は利用者の不在時にオートロックを解錠できず、置き配ができなかったマンションで、ライナフコネクトの導入を機に宅配サービスの新規利用につながった事例もある。

 また、北海道でクリーニング事業などを展開する光生舎では、宅配クリーニングにおいて置き配/非対面サービスを展開している。置き配/非対面の割合は全体の11.7%を占めており、中期的には50%まで引き上げる目標を掲げている。

 一方で宅配について、特にオートロック付きマンションでは、管理人が解錠に対応できない場合や宅配ボックスに空きがない場合に加え、利用者の時間指定に合わせて同じマンションを複数回訪問することがあり、効率化が課題となっている。光生舎は、配達員がオートロックを解錠できるマンションの拡大によって再配達がなくなれば、業務効率を5〜10%程度向上できるとみている。

訪問介護サービスの円滑化にも寄与 日本郵便は再配達6%目指す

 訪問介護事業などを手掛けるやさしい手では、高齢の利用者がインターフォンに応答できない、体調不良で解錠できないといった理由から、スタッフがマンションに入館できず、訪問介護サービスを提供できないケースが課題となっている。緊急時にもオートロックを解錠できず、エントランスで足止めされることがある。一方、スタッフが鍵や暗証番号を預かる運用には、紛失や情報漏えいなどの防犯上のリスクが伴う。

 今回のAPI連携により、鍵や暗証番号を預かることなく、セキュリティを確保しながら利用者宅を訪問できるようになる。やさしい手は、鍵の受け渡しに伴う手間の削減や業務効率化に加え、これまで訪問介護サービスを提供しにくかったオートロック付きマンションにも、在宅介護を広げられることに期待を寄せた。

 日本郵便も、オートロック付きマンションでの置き配の普及を、再配達削減に向けた課題と捉えている。東京都内の住宅総数約820万戸のうち、オートロックなどの機能を持つセキュリティマンションは約206万戸で、全体の25.1%を占める。オートロック付きマンションでは居住者の不在時に配達員が玄関前まで行くことができず、基本的に宅配ボックスよりも部屋数が多いことから、再配達になることが多いという。

 日本郵便はこれまでも、ライナフと置き配に関する実証実験などを実施してきた。目標として掲げる再配達率6%の達成に向け、今回の協業により、セキュリティを確保しながら非対面で荷物を届けられるマンションが増えることに期待を寄せた。

協業発表会に出席したパナソニックEWの福尾氏、ライナフの滝沢氏とサービス事業者の担当者 筆者撮影
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