ULSコンサルティングは、関電工の設備工事の概算積算に用いる「自動項目概算システム」を構築し、従来1〜2週間を要していた概算金額の算出時間を数十分程度に短縮した。
ULSコンサルティングは2026年7月30日、関電工の設備工事の概算積算に用いる「自動項目概算システム」を構築したと発表した。AIによる確率的な処理とロジックによるルールベースの処理を組み合わせ、従来1〜2週間を要していた概算金額の算出時間を数十分程度に短縮した。
手作業による設備工事の概算積算は、担当部門の負担が大きく、得意先への見積もり提出まで1〜2週間を要していた。また、経験豊富な社員への依存度が高く、ベテラン社員の定年退職を見据えた属人化の解消も課題となっていた。関電工はAI関連サービス事業者と2回のPoC(概念実証)を実施したが、想定した成果を得られなかった。そこでULSコンサルティングへの相談に至った。
ULSコンサルティングが既存データを分析した結果、現時点でAIだけを用いて正確に積算することは難しいと判断。代わりに、AIによる確率的な処理と、ロジックによるルールベース処理を併用する方式を提案した。
過去の類似案件の呼び出しや工事項目の金額算出をロジックで処理する一方、AIは自然言語からの情報抽出や得意先ごとに異なる用語/書式への対応に利用する。将来のAIによる積算に向けてデータを整備しながら、既存データで実現可能な処理方式として提案した。
開発にはアジャイル方式を採用し、完成イメージを段階的にすり合わせた。最初にプロトタイプを作成し、利用イメージや積算精度に対する認識を関係者間でそろえた。その後、現場からのフィードバックを反映して正式版を構築した。
開発期間は約1年半。完成した自動項目概算システムでは、算出手法の80〜90%は従来の手作業を踏襲したロジックとした。従来1〜2週間かかっていた作業時間を数十分程度に短縮し、得意先への見積もり提示を迅速化した。営業担当者が従来より早い段階で概算金額を把握できるようになり、営業担当者と積算担当者間の認識のずれを抑える効果も見込む。
関電工によると、従来の既存システムはオンプレミスで構築されていた。また、開発当初は新システムの構築について、全体を統括してコンサルティングする部署がなかった。人が処理するロジックだけでは対応しきれない業務のシステム化はハードルが高く、アイデアがあってもDXに踏み切れなかったという。今回の取り組みでは、ULSコンサルティングが基軸となり、IT、積算実務、技術開発研究所、営業といった複数部署が持つノウハウや知見を横断的に集約した。
ULSコンサルティングは今後、自動項目概算システムの速度と精度の向上、既存システム群とのデータ連携や関連業務全体の最適化を進め、関電工のDXを支援する方針だ。
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