三菱電機は、ドイツの旧ベルリン・テーゲル空港跡地で開発中のスマートシティ「ベルリンTXL」で、既設ビルとデジタルツインを活用した実証を開始する。
三菱電機は2026年8月25日、ドイツの旧ベルリン・テーゲル空港跡地で開発中のスマートシティ「ベルリンTXL」で、既設ビルとデジタルツインを活用した実証を開始すると発表した。省エネ性と温熱快適性を両立する設備制御を検証するとともに、ビルのCO2排出量データなどを都市側のプラットフォームと共有。都市レベルでのエネルギー運用最適化に向け、ビルデータ活用の有効性を検証する。
実証場所は、ベルリン州立企業のBerlin TXL Managementが旧ベルリン・テーゲル空港跡地で開発/管理する「ベルリンTXL」のイノベーション地区「Urban Tech Republic」。築53年の鉄骨造、地下1階地上7階の既設ビルを実証棟として使用する。実証期間は2026年9月1日〜2027年3月31日。
三菱電機は、神奈川県鎌倉市のZEB関連技術実証棟「SUSTIE(サスティエ)」で開発、検証してきた、デジタルツインを活用したビルシミュレーション技術と最適運転計画技術を適用する。三菱電機がこれらの技術を海外の既設ビルに適用するのは初めて。
ビルシミュレーション技術は、BIM形式の設計データから抽出した床面積や断熱性能などの建物情報と、ビル設備の型名や性能などの情報を用い、デジタル空間に既設ビルの状態を精密に再現する。設定温度や調光率などの運転計画に加え、年間の気候変動や在室人数の変化などを再現し、省エネ性と温熱快適性を予測する。
予測結果を基に、省エネ性と温熱快適性のバランスを考慮した空調システムの最適運転計画を策定し、実際の設備制御に適用する。最適運転計画の適用時と非適用時のデータを比較して効果を検証する他、シミュレーションの予測値と実測値を比較して予測精度を確認する。
実証では、既設ビルの消費電力量から算定した運用時のCO2排出量について、スマートシティプラットフォームで利用できるデータモデルとして新たに定義する。スマートビルとスマートシティという異なるビジネスドメイン間で、CO2排出量データを連携できるようにする。
Berlin TXL Managementのスマートシティプラットフォームと三菱電機のスマートビルプラットフォームは、スマートシティソリューション開発向けのオープンソースのフレームワーク「FIWARE」を介して接続する。既設ビルのCO2排出量データと設備制御実証の結果レポートを共有し、都市レベルでエネルギー運用を最適化するためのビルデータ活用の有効性を検証する。
三菱電機は実証成果を、ビルの省エネ性と温熱快適性の両立、運用効率化に向けた技術開発に活用する。さらに、ビルを起点とした都市レベルのソリューションを欧州などのグローバル市場へ展開するモデルケースの確立を目指すとしている。
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