BAS領域で優位性があるのが、多数のプロトコルに対応して各メーカーの管理ネットワークを統合できるIntesisだ。産業ネットワーク分野で世界的に知られるHMS Networksは、“異なるものをつなぐ”技術を長年にわたり研究し、高い評価を得てきた。そこで磨き込まれた技術とノウハウをビルインフラの領域に展開したのが、BAS製品群のIntesisシリーズだ。
白子氏は、HMS Networksが重視しているのは「理想論ではなく、現実の設備環境に即した統合だ」とし、その設計思想をIntesisで具現化している。どういうことかと言えば、Intesisはネットワークの全面刷新を前提としておらず、既存設備を生かしながら段階的にデータ環境を統合するアプローチを取るため、稼働中のシステムに影響しない。
Intesisがデータセンターに適する最大の理由は、マルチベンダーかつマルチプロトコル環境での運用を前提に設計されている点にある。一般的なデータセンターでは、各システムがベンダーや世代ごとに異なるプロトコル環境で稼働し、全体としてバラバラに分断していることが、全体効率化の妨げとなっている。
この点、IntesisはBACnet、Modbus、KNX、LonWorksといったビル設備の制御で広く使われているプロトコルに対応する。BASのインタフェース「BMS(Building Management System)」やデータセンターの監視システム「DCIM(Data Center Infrastructure Management)」、電力消費を可視化する「EMS(Energy Management System)」といったシステムと連携。空調やエネルギー状態の可視化、運用改善、セキュリティ強化などが実現し、将来のネットワーク拡張も容易だ。
白子氏は、「海外と比べ、日本のデータセンター市場は可用性、品質、長期運用に対する要求が高い」と指摘する。新しい技術を導入する際は、既存設備との共存や確実な運用が重視される。
対して、IntesisはBMSをブラックボックス化せず、OT(制御技術)とITが交差する環境でも制御とセキュリティの両立を意識した設計となっている。そのため、ユーザーはBMSの仕様を確認し、安心感をもって導入と運用ができる。また、既存システムとの接続や運用時に生じる懸念は、具体的な協議を経て解決した上でシステムを調整する。
AIの普及加速などによって急激に環境が変化している現在、5年後のデータセンターに何が求められるのかはまだ不透明。しかし、現在よりも高密度化と自動化が進み、より厳しい環境性能が求められることは間違いない。このような必然的な流れの中で、データセンターのBASは単純な制御システムから飛躍し、意思決定を支える重要なデータ基盤へと進化するはず。
HMS Networksは、Intesisを通じてデータセンター時代のBAS統合レイヤーを提供し、最適な運用とエネルギー効率化をつなぐ“ハブ”としての強力な接続性を武器にスマートビルとデータインフラの高度化を支えていく。
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