近年、データセンターや大型施設で空調設備の管理ニーズが高度化している。しかし、設備ごとに異なるメーカーの機器や通信プロトコルが混在し、一元管理が困難なケースも多い。HMS Networksは、メーカーごとの管理ネットワークの壁を越え、共通プラットフォーム上で統合運用を可能にするソリューション「Intesis」を提案する。
産業ネットワークのソリューション製品を提供するHMS Networksは、「HVAC&R JAPAN 2026(第44回冷凍・空調・暖房展)」(会期:2026年1月27〜30日、東京ビッグサイト)に出展した。ブースでは、建物内の暖房や換気、空調など異なる機器を通信で接続する「HVAC(Heating:暖房、Ventilation:換気、Air Conditioning:空調)ネットワーク」を統合し、一元管理を可能にする共通プラットフォーム「Intesis(インテシス)」をアピールした。
最近では、AIやクラウドの普及で需要が高まるデータセンターの高度な要求に応えるビル管理システム(BAS:Building Automation System)の統合ネットワーク手法として、韓国などの海外で導入が進んでいるという。
スマートビルが普及するにつれ、セキュリティやエレベーター制御、運搬/清掃ロボットの運用など、ビル内の設備やサービスの管理を効率化したいという需要が増えている。HMS Networksが提案するIntesisは、こうしたビルの設備管理を取り巻く環境変化にも十分対応する。
その最も顕著な例がデータセンターだろう。データセンターには、冷却、スケーラビリティ、遠隔監視など、安全性やコストに直結する複数のシステムが稼働している。しかし、それぞれ個別のネットワークで運用されており、相互のデータ活用や監視は手つかずの状態にある。
Intesisは、各ネットワークの通信規格となる「BACnet」「KNX」「Modbus」といったプロトコルの壁を超えた接続性を備える。そのため、各種データを統合管理することで、データセンターの運用を大幅に効率化できる。Intesisが備える「既存設備を生かす現実的な統合能力」がデータセンターでどのように生かされるのか、HMS Networksの白子考介氏に聞いた。
クラウドサービスの拡大やAIの普及などで、現在のデータセンターには多くの機能や高い水準が求められる。処理能力が高いサーバの冷却には、効率の良い空調が必要だ。一方で省エネの観点から、電力消費は抑制しなければならず、サイバー攻撃への備えとしてセキュリティ対策も欠かせない。白子氏によれば、「現在のデータセンターは、運用の最適化とエネルギー効率が競争力を左右する時代に突入している」と分析する。
こうした状況下で求められるのは、ビルやデータセンター内の設備/機能を横断的につなぐ、ビル管理システムのBASだ。白子氏は、「現在のデータセンターは単なる“ITインフラ”ではない」と言い切る。そして、「データセンター内の電力、空調、監視、セキュリティを含めた管理には、効率と運用の最適化が不可欠だ」と話す。
日本のデータセンターではサーバ環境が高密度化し、設備構成はマルチベンダー化の傾向にある。同時にCO2排出量削減の社会的要請がありつつも、当然ながら止まることなく「365日24時間の連続稼働」が絶対条件となる。
データセンターでエネルギー消費の大半を占めるのが空調システムだ。そのため、空調をいかに最適に制御するかが外せないテーマとなっている。ただ前述の通り、多くのデータセンターでは、空調が異なるベンダーの製品とネットワークで構成されていることが多い。空調だけに限らず、電力や監視システムといった重要設備やサービスも、それぞれが異なるベンダーやメーカーの独立したネットワークで運用され、通信プロトコルもバラバラだ。
データセンターの運用を効率化するには、ネットワークの分断を乗り越え、空調をはじめとする設備機器の稼働データをBAS上に集約する必要がある。
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