点群データは、今や建設や土木のICT施工で欠かせないものとなっている。建物の点群データは、施工の後の保守や管理にも活用され始めている。トプコンの新しい地上型3Dレーザースキャナー「CR-P1」シリーズは、従来機比約16倍の高速スキャンで、毎秒200万点の点群を取得するフラグシップモデルだ。
トプコンは、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)で、ICT施工に関連したソリューションを展示した。
ブースを3D計測、トータルステーションやGPSなどのコア製品、マシンコントロール、地中探査に代表される応用計測、建築、人材確保などに関する働き方の6コーナーに分けて、分野別に製品やサービスを訴求した。
本稿では、その中でもトプコンが特に力を入れる3D計測と、ICT建機のマシンコントロール制御システムを採り上げる。
3D計測の分野でトプコンがまずアピールしたのは、2025年夏に発売した地上型3Dレーザースキャナーの最上位モデル「CR-P1」シリーズだ。従来機種の「ESN-100」に比べスキャン速度は約16倍で、最大200万点/秒の高速スキャンが可能だ。
スキャン範囲は最大400メートルで、一度の計測で広範囲をカバー。高所建造物や高圧電線など、遠距離や高所にある対象物も確実に計測する(CR-P1 L)。重さは4.4キロと軽量で、三脚との着脱が容易なクイックリリース機構により、高い機動力を発揮する。山間部や高低差のある法面など、機器の盛り替えが多い現場でもストレスなく運用できる。
ICT施工では現場のデータを基に、建機が掘削や盛土などを行うので、正確にデータを取得することが重要となる。そのため、高精度かつ高速に点群データが取得できる3Dスキャナーが欠かせない。CR-P1は、こうした現場ニーズに応え、作業効率や働く人の負荷を下げる。
CR-P1には、フィールドソフトウェア「Collage Site」が用意されている。CR-P1の遠隔操作や3D点群データの取得だけでなく、データ解析から出力までが現場で完結する。平坦性チェック時に高低差を色分け表示するため、現場での確認が可能となり、データ取得の漏れがなくなり、手戻りも起きない。
会社に戻って、高密度の点群を活用した高度解析をしたい場合は、「Collage Office」が有効だ。目的に応じて、2つの計測スタイルを使い分けられる。
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