パナソニック 空質空調社は、米国市場で従来比50%以上の省エネを実現する住宅向け全館空調システム「OASYS」を発売した。屋根裏や床下も、くまなく空気循環することで、結露やカビの発生を減少させ、米国で一般的な木造住宅の劣化を抑制する。
パナソニック 空質空調社は2025年1月8日、米国市場で住宅向け全館空調システム「OASYS(オアシス)」の販売を米国現地時間の7日から開始すると発表した。米テキサス州でビルダーや設計事務所向けに販売を開始し、順次販売エリアを拡大する。
OASYSは、熱交換気ユニット、ルームエアコン、DCモーター換気扇を用いた搬送ファンで構成した全館空調システム。既存の空調システムと比べ、エネルギー消費量を50%以上削減する。
空調システムは、複数の搬送ファンからダクトを通じて冷温風を送風する。室内温度と各吹き出し口からの吹き出し温度との差を抑え、家全体や部屋の上下空間の温湿度を一定に保持する。床下や屋根裏の空気も循環するため、結露やカビの発生リスクを減らし、木造住宅の劣化を抑制する。
米国では暖房機器はガス式、冷房機器は電気式が一般的で、脱炭素社会の実現に向けて、暖房機器はガスから電気への移行、冷房機器はより一層の省エネの必要性が増し、冷暖房機能両方を備えた高効率なヒートポンプ、さらにはインバーター式空調へのシフトが求められている。米国で主流の全館空調方式は、家中に張りめぐらせたダクトを介して1台の大きな搬送ファンが各部屋に冷温風を送風する方式。そのため、ファンの騒音が大きく、部屋ごとにダクトの形状や長さが異なるため、均一に風を送るのが困難で、温度ムラが生じていた。
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