AI×iPhoneで現場の3D点群化から報告書作成までを効率化、One Technology Japan第10回 JAPAN BUILD TOKYO

現場を3D化した点群データは、工程管理や品質管理、維持管理などに活用できる利点がある。しかし、点群取得やその後の3D化の処理には知識や面倒な作業が必要だった。One Technology Japanの「insightScanX」は、iPhoneの3DスキャンとAI、ARの技術で、工事現場の品質管理や施工管理などを効率化するアプリだ。iPhoneを使った1度の現場スキャンで、点群、簡易的なBIM、平面図、写真などを取得し、3D空間内には不具合の箇所があった場合は位置と写真を付与できる。

» 2026年01月19日 12時23分 公開
[川本鉄馬BUILT]

 One Technology Japanは、「第10回 JAPAN BUILD TOKYO−建築・土木・不動産の先端技術展−」(会期:2025年12月10〜12日、東京ビッグサイト)の構成展「第5回 建設DX展」で、設備の保全に使う「insightScanX(インサイトスキャンエックス)」と住宅のリノベーションに特化した「HOUSECAN(ハウスキャン)」をPRした。いずれもAIとiPhoneのスキャン機能を活用し、シンプルな操作で現地調査からプロジェクト管理までを効率化する。

AIが現場の不具合を自動検出、修正法までを提示

 今回のブースでメインに紹介していたのが、insightScanXだ。iPhone用のアプリで、LiDARスキャンによって現場の情報を取得し、3D点群モデルを生成してデジタルツインで可視化する。2D間取り図も自動作成し、点群モデルと共にミリ単位の精度を持ち、高さや長さなども計測可能だ。

 現場を3D点群でデジタルツイン化する手法は他にもあるが、insightScanXの特長はスキャンデータをAIが解析し、不具合を検出できる点にある。壁に剥離(はくり)や亀裂があれば、自動認識して位置情報も付与した画像で記録する。そのため、現場経験の少ない新人にも、不具合かどうかの判断が難しい調査や点検を任せられる。

デモではPC上に3D点群データを表示。データをクラウドにアップロードすると、PC上で閲覧や編集ができる デモではPC上に3D点群データを表示。データをクラウドにアップロードすると、PC上で閲覧や編集ができる 写真は全て筆者撮影

 さらに、その不具合を報告書にまとめる補助機能も備える。One Technology Japan 代表取締役 社長 河本直己氏は、「調査後のレポートを書くのは手間だが、AIが自然言語でどういう不具合か、どう修正するべきかも全部教えてくれる。また、不具合をいつまでに誰が直すのかも登録可能で、未対応の状況も把握できる」と利便性を説明した。

 河本氏は活用事例として、全国に約2000店を展開するカラオケルームの保全を挙げた。従来は、本部の修繕部隊が出張ベースで各店舗を巡回していた。しかし、insightScanXの導入で、店長自身が部屋をスキャンすることで各部屋の現況が確認できるようになった。時系列でどのように変化したか、現在は対応済み/未対応など、どのステータスにあるかが分かる。河本氏は、insightScanXを「現場を見える化し、管理を合理化するサービス」と評した。

3D点群データ取得のデモ 3D点群データ取得のデモ

 insightScanXは、顧客ごとにカスタマイズした形で提供している。河本氏によると、「機能が多いので、導入先企業の業務によっては機能や操作をシンプルにするケースもある」と話す。

 現在、insightScanXは、トライアル版が使える。基本的な機能や自社の業務にどのように活用できるかはトライアル版で確かめてほしい。

ハウスリノベーションに特化した「HOUSECAN」

 ハウスリノベーション用には、スキャン時に平面図と立面図を同時に作成できる専用アプリ「HOUSECAN」を提供している。

 現地でのスキャン作業はinsightScanXと同様だが、取得した各種データをリノベーション用途に活用できるようチューニングされている。河本氏は「木造住宅では1階と2階をスキャンすると自動で立面図が表示される」と具体例を示し、HOUSECANによる現地調査の手軽さを強調した。

One Technology Japan 代表取締役 社長 河本直己氏 One Technology Japan 代表取締役 社長 河本直己氏

 現地調査では、平面図や立面図に記号や調査ポイントをマッピング可能で、調査レポートも簡単に作れる。さらに、2D/3Dの調査データをクラウドにアップロードすると、One Technology JapanのWebCADで加工や編集もできる。

 他にも積算や解体の概算見積もりに加え、詳細な見積もりのために多くの業者を登録して見積もりを依頼する機能もある。各社の見積もりはまとめられ、資金計画書とプラン別に比較する機能も搭載している。

 導入効果としては、物件のフルリノベーションに必要な現地調査の時間が50%に削減するという。HOUSECANは、2026年の春ごろまでに住宅施工の市場に投入する予定だ。

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