森ビルは、2025年9月に実施した都内オフィス需要に関する調査結果を公表した。東京23区に本社を置く企業のうち、新たにオフィスを賃借する予定がある企業は27%で、賃料の上昇を容認する傾向や、環境認証を重視する動きも明らかになった。
森ビルは2025年12月11日、「2025年 東京23区オフィスニーズ調査」の結果を公表した。オフィスの新規賃借予定がある企業は27%で、賃料の増額を許容する傾向や、大企業の過半数がLEED認証やWELL認証などの環境認証を重視する傾向も明らかになった。
調査対象は、主に東京23区に本社が立地する企業で資本金上位の企業約1万社。調査期間は2025年9月1日から30日で、有効回答数は1749社、回収率は17.1%だった。
新規賃借予定がある企業のうち、面積を「拡大予定」と回答した企業は60%で、「変更なし」は22%、「縮小予定」は18%だった。新規賃借の時期として「1年以内」とした企業は28%、「2年以内」は17%で、2年以内に賃借予定の企業は合わせて45%となった。
新規賃借予定の理由(2023〜2025年調査の回答割合の平均値)では、「立地の良いビルに移りたい」が最も多く、「新部署設置、業容/人員拡大」「設備グレードの高いビルに移りたい」が続いた。従業員300人以上の企業では「1フロア面積が大きなビルに移りたい」「イノベーティブなオフィス環境づくりのため」「優秀な人材を確保するため」なども上位に入り、従業員が1つの場に集まってコミュニケーションを図れる環境と人材獲得での優位性を両立できるオフィスを求める傾向が明らかになった。
過去1年間に賃料改定があった企業は20%、現在交渉中の企業は7%だった。このうち増額と回答した企業の割合は、過去6年間で最高の89%となった。今後1年以内に賃料が値上げする場合の許容範囲について、約4割が「5〜9%の値上げ」を、約3割が「10%以上の値上げ」を許容すると回答した。建物管理における人件費や光熱費の上昇や物価の上昇を理由に、賃料値上げに対する理解の広がりが見られた。
新規賃借時に妥当と考える月額賃料(1坪あたり、共益費込み)は、「2万5000円以上」とした企業の割合が、2021年の31%から2025年には44%に増加している。
新規賃借時の希望エリアについて、直近3年間(2023〜2025年調査)の回答割合の平均値を見ると、「日本橋」が18%、「丸の内」が17%、「大手町」が16%、「虎ノ門」が14%、「八重洲」が13%の順に多かった。
従業員のオフィス出社率の平均は78%で、前回調査時点と同水準だった。コロナ禍後の出社回帰の動きは出社率8割程度で落ち着きつつある。従業員数は前年度と比較して、40%の企業が増えたと回答。今後増えるとした企業は44%だった。
オフィス環境づくりのための支出を「投資かコストか」を問う質問では、54%が「投資」「どちらかといえば投資」と回答。従業員300人以上の企業における割合は66%に上った。
オフィスビル選定時に、LEED認証やWELL 認証などの環境認証を重視すると回答した企業は約35%(LEED認証34%、WELL認証38%)で、従業員300人以上の企業では過半数(LEED認証54%、WELL認証54%)に達した。重視する理由では「従業員が快適/健康に働けるオフィス環境の確保」が71%となった。
今回の結果を受け、森ビルは、都心の良質なオフィスに対する需要は今後も堅調に推移し、賃料の上昇傾向が続くとしている。
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