ダイキン工業は、ブラジルで2025年11月中旬に開かれる「COP30」に出展する。換気と空調の組み合わせで“冷やしすぎ”を防ぎ、大幅な省エネを実現する空調ソリューションを展示。実証実験では、約40%の電力削減効果を確認したという。
ダイキン工業は2025年10月16日、「COP30(国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議)」で環境省が設置する「ジャパン・パビリオン」に出展すると発表した。
COP30は、ブラジル連邦共和国のベレンで2025年11月10日から21日まで開催される。ブースでは、全熱交換器を活用した「冷やしすぎ」を防ぐ空調ソリューションを展示し、建築物の脱炭素化に寄与する技術として紹介する。COPでの出展は2023年のCOP28、2024年のCOP29に続き3回目だ。
今回披露するソリューションは、全熱交換器を用いて室外と室内の空気を熱交換しながら換気する。これにより空調機の熱負荷を抑えつつ、設定温度を高めに保つことで消費電力の削減につながる。2023年にタイにあるダイキン工業の研究施設での実証実験では、一般的な換気と空調の組み合わせに比べて約40%の電力削減効果を確認した。
さらに、同一温度でも湿度によって快適性が異なることを体感できる展示も予定している。湿度が異なる空気を再現したボックスを展示する。
COPは、国際機関や各国の政府、NGO、自治体、企業経営者などが気候変動への国際的な対応策を議論する国際会議。現在、世界の温室効果ガス排出量のうち、約37%を建築分野が占めていることから、建築物の脱炭素化が国際的にも重要視されている。COP28では、同分野の脱炭素化や気候変動への適応に向けた国際枠組み「Buildings Breakthrough」が発足した。
建築物のカーボンニュートラル達成に向けては空調由来の温室効果ガス(GHG)の削減が必要不可欠で、中でもその大半を占めるオペレーショナルカーボン(エネルギー消費など、建物の利用や運用に起因する排出量)を削減することが求められる。
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