計測技術サービスは、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」で最新の鉄筋探査機や開発中の壁走行ロボ、MR探査システムを披露した。さらに新協会の設立を通じ、非破壊検査技術者の育成や検査技術の国際規格づくりにも挑む姿勢を表明し、日本の技術で日本のインフラを守るリーダーシップを鮮明にした。
鉄筋探査機や地中探査レーダーなどの計測機器を開発/販売する計測技術サービス(KGS)は、「メンテナンス・レジリエンスTOKYO2025」の構成会「第19回 インフラ検査・維持管理・更新展」(会期:2025年7月23〜25日、東京ビッグサイト)に出展した。非破壊検査機器分野の主力ソリューションと最新の開発成果を披露し、来場者の関心を強く引きつけた。
「iRadar ADSPIRE01(アドスパイアゼロワン)」は、電磁波レーダーを搭載した純国産の鉄筋探査機だ。機体寸法は149(幅)×134.5(高さ)×207(奥行き)ミリ(ハンドル装着時、車輪も含む)、重量はわずか980グラム(バッテリー、ハンドル部を含む)。業界最小かつ最軽量クラスのコンパクトボディーながら、コンクリート内部の鉄筋や空隙を高精度に探査可能だ。
東京大学と共同開発した先端デジタル信号処理機構を備え、探査結果はスマートフォンやタブレットのアプリで高解像度3Dとして表示できる。ディスプレイに汎用端末を採用し、端末更新で常に最新CPUの性能を探査に使える点も特長の1つだ。
フル充電で7時間以上の連続使用が可能で、バッテリー交換の手間を減らし、点検効率を大幅に高められる。2024年4月には国土交通省の「点検支援技術性能カタログ」に掲載され、2025年5月には新技術情報提供システム「NETIS」にも登録された。
会場では、ADSPIRE01用の標準ソフト「レポートメーカー」のWeb版も初披露。従来のPC版では操作性に限界があったが、Web版では端末を選ばずに活用できる。ブース担当者は「利用環境の制約を減らすことで、より現場で使いやすくなる」と説明し、さらに「集まったデータをAIに学習させ、解析の精度を高めていく展望もある」と先を見据えた。
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