トヨタホームは、リバネス、ヒューマノーム研究所、ソーラーテックと共同で、AIとAIエージェント技術を活用した構造解析支援システムを開発した。非住宅案件の構造解析業務を効率化し、解析プロセスを約半分に短縮した。
トヨタホームは2025年11月4日、リバネス、ヒューマノーム研究所、ソーラーテックと共同で、AIとAIエージェント技術を活用した構造解析支援システムを開発したと発表した。
トヨタホームは主力の鉄骨ユニット工法による戸建住宅の新築請負事業に加え、社員寮や店舗、医療/介護施設などの非住宅分野でも事業を拡大している。戸建住宅では型式適合認定を受けており、専門技術者による詳細な構造計算を省略できるが、非住宅案件では毎回詳細な構造計算が必要で、対応の遅れが受注機会の損失につながるという課題があった。
新システムは、AIが構造部材の修正/最適化を行い、AIエージェントが解析作業の繰り返し処理を自動化することで、構造解析業務を大幅に効率化。従来1カ月以上かかっていた解析プロセスを約半分に短縮する。経験の差に左右されない安定した品質を確保し、若手技術者でも同水準の成果を得られるよう支援する。反復作業の自動化で人的エラーを減らし、部材断面の最適選定による材料コスト削減にもつながる。
今後は、トヨタホーム販売会社や協力設計事務所など外部パートナーにも展開を予定している。トヨタホーム販売会社では、営業や設計・施工が一体となって新システムを活用することで、提案段階から構造安全性やコスト最適化を可視化でき、顧客に対し、説得力のあるプランを迅速に提案可能になる。非住宅案件の受注リードタイム短縮に加え、顧客の意思決定を支援する新たな価値提供を目指す。
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