コンピュータシステム研究所は、住宅の手書き図面をAIで解析して3Dモデルを自動で生成し、VR化するソリューションを提案している。打ち合わせの初期段階で、3Dモデルをスピーディーに作成することで、工事完成後のイメージを施主に理解してもらい、営業活動の効率化につながるのが大きな特徴となっている。
コンピュータシステム研究所は、「住宅ビジネスフェア 2021」(会期:2021年10月7〜8日、東京ビッグサイト 青海展示棟)で、手書き図面から3Dモデルを自動作成し、さらにVR化するソリューションを絆ジャパンのブース内で展示した。
「ALTA Revolution(アルタ レボリューション)」と名付けたソリューションは、工務店や住宅ビルダー、リフォーム会社向けに、フリーハンドの間取りを平面図や立面図と、3Dのパースに変換し、VR化にも対応している。手書きからの3Dモデル化は、10〜15秒ほどで済み、その上に建具の配置や外壁の入力、さらに見積書の作成も可能だ。
これらの機能で施主との合意形成がスムーズとなり、要望に沿った設計が行える。同時に施主とのやりとりの時間も短縮されるため、担当者の負担削減や受注効率のアップも見込める。
ALTA Revolutionの大きな特徴は、手描きの間取り図をその場で取り込み、短時間にパースや簡易的な図面が作成できる点にある。顧客との打ち合わせの場で顧客の要望を反映した具体的なイメージをまとめ、関係者が共有できるようになる。
“その場”で具体的なイメージが作れるので、顧客との打ち合わせでスピードアップが図れる。従来は、施主から要望を聞いて、一度社に持ち帰り、次週に変更図面を使って再度打ち合わせを行うことを何度も繰り返し、場合によっては打ち合わせに半年を要することもあった。
ブースで説明を担当した建築事業部 建築営業課 エリアリーダーの大野洋一氏は、「打ち合わせの場で完成イメージを見せられれば、必然的に打ち合わせの回数は減り、営業経費も削減できるだけでなく、施主側もこれまでのように図面変更などを待たなくて済む」と語る。
ALTA Revolutionでは、パースや図面を作成するが、その操作にCADの知識を必要としない。建築家や設計者ではなく、顧客と直接会う営業部員が手軽に使えるソリューションとして開発されている。
最初に、専用の方眼紙に間取り図を描くことになるが、定規を使わずとも、フリーハンドで構わない。手描き図面が完成したら、スマートフォンのカメラで撮影し、専用クラウドへアップロード。するとクラウド上の人工知能(AI)が画像を解析し、すぐに3Dのイメージパースを生成する。
ALTA Revolutionで作成する図面やパースには、標準的な建具などが自動的に配置される。例えば、トイレに便器や窓、ドアも暫定的な位置に設置。迅速に手描きの間取り図がデータ化されるため、その後の修正は顧客とのリモート会議でも可能になる。
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