長谷工コーポレーションは、千葉県市川市の社宅を賃貸マンションに改修した「サステナブランシェ本行徳」で、防災フェアを開催した。マンション住人や地域住民など約300人が参加し、3Dの仮想空間上で防災を学ぶ「バーチャル防災訓練」や純水素燃料電池の停電時利用などを体験した。
長谷工コーポレーションは2025年8月23日、千葉県市川市にあるCO2排出量ゼロの賃貸マンション「サステナブランシェ本行徳」で防災フェアを開催した。居住者や地域住民など、総勢約300人が参加した。
イベントでは、メタバースを活用した「バーチャル防災訓練」を実施し、在宅中の火災発生を想定して、消火器の探索やバルコニーでの初期消火、避難ハッチを使った避難行動を疑似的に体験した。特許出願中のバーチャル防災訓練は、住民がいつでもデジタルで訓練できる点が特長で、防災意識の向上やマンションの災害リスク低減に寄与する。
排水の逆流を防止する「排水管逆流防止システム」を展示した。局地的に激しい雨が降る「ゲリラ豪雨」などにより、下水道に大量の排水が流れ込んだ場合、下水道からの逆流を検知して開閉弁で遮断する。作動時には、住戸内インターフォンや長谷工コーポレーションが開発した専用アプリ「まいりむアプリ」から通知が届く仕組みだ。
さらに、CO2を排出せずに最大2.5キロワットの発電が可能な純水素燃料電池を用いて、スポットエアコンや冷蔵庫、スマートフォン充電といった機器への電力供給を実演した。電池を用いることで、停電時の電源供給が可能となる。
また、市川市消防局の協力を得て、消防訓練も同時開催した。隣接する徳願寺敷地内に起震車を設置し、1995年1月に観測史上初めて震度7を記録した「阪神淡路大震災」の揺れを体験。他にも、煙中避難や消火器の使用訓練も実施し、普段扱うことのない消火器の使用方法や火災時に発生する白煙からの避難方法を学び、子供用消防服の試着や消防車との記念撮影では親子連れの姿も多く見られた。
会場となったサステナブランシェ本行徳は、既存企業社宅をCO2排出量実質ゼロの賃貸マンションに全面改修した物件で、長谷工コーポレーションによると国内初の試みだという。全36戸のうち13戸を「RESIDENCE LABO」として位置付け、IoTやAI技術、長寿命化、省エネのための実証実験を行っている。
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