持ち家vs賃貸論争、不動産は今が買い時? 9月23日“不動産の日”に「住宅居住白書」公開不動産市況(1/3 ページ)

全宅連と全宅保証は、9月23日の「不動産の日」に、住まいに関する意識を全国5000人に調査した「2025年住宅居住白書」を公開した。不動産を「買い時だと思う」は20.8%で、2024年に比べ増加。持ち家派vs.賃貸派では、「持ち家派」が63.0%と上回った。2022年5月に不動産取引で解禁された「電子契約」の利用経験は、全体で15%しかなかったが、20〜30代では3人に1人の割合となり、若年層を中心に利用が広がっている。

» 2025年09月26日 21時00分 公開
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 全国宅地建物取引業協会連合会(全宅連)と全国宅地建物取引業保証協会(全宅保証)は9月23日の「不動産の日」に合わせ、20〜65歳の全国の男女5000人を対象に「住まいに関する定点/意識調査」を実施し、結果を「2025年住宅居住白書」として公開した。

 9月23日は、秋に不動産取引が多くなり、「2(ふ)10(どう)3(さん)」の語呂合わせから、昭和59(1984)年に全宅連が「不動産の日」と定めた。

不動産購入意欲は「価格高騰」が最大の壁に

 調査結果をみると、「いま、不動産は買い時だと思うか」の問いでは、「買い時だと思う」20.8%となり、2024年度と比較して1.6ポイント増加した。買い時だと思う理由は「今後、住宅ローンの金利が上昇しそうなので」が44.4%で最多となり、「住宅ローン減税など住宅取得の為の支援制度が充実しているから」が29.8%を占めた。地域別では、北海道(55.6%)や東北地方(54.3%)で特に高い傾向がみられた。

 一方、「買い時だと思わない」理由は、2025年に新たに選択肢として加わった「価格が高騰しすぎて手が届かないから」が49.3%で、圧倒的な回答数となった。他に、「自分の収入が不安定または減少しているから」(14.3%)、「不動産価値(価格)が下落しそうだから」(14.2%)も挙がった。

いま、不動産は買い時だと思うか? いま、不動産は買い時だと思うか? 出典:2025年住宅居住白書

 「買い時だと思わない理由」の主要因は、2024年調査では地域により「不動産価値の下落懸念」や「収入の不安定」が上位だったが、2025年は“価格高騰”が全地域で消費者の購買意欲を抑制する最大の懸念事項となっている。ただし、四国地方では30.8%と他地域に比べて相対的に低く、地震や災害への懸念(26.9%)が高かった。

買い時だと思う理由と思わない理由 買い時だと思う理由と思わない理由 出典:2025年住宅居住白書
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