日建連は「日建連表彰2025」で「第66回BCS賞」15件、「第6回土木賞」12件を選出。建築物では虎ノ門ヒルズステーションタワー、温故創新の森 NOVARE、土木工事では女川原発の防潮堤かさ上げ工事、日比谷線虎ノ門新駅(仮称)などが受賞した。全国からの応募件数はBCS賞80件、土木賞44件だった。
日本建設業連合会(日建連)は2025年8月4日、「日建連表彰2025」として「第66回BCS賞」15件と「第6回土木賞」12件(特別賞2件含む)を決定したと発表した。全国からの応募件数はBCS賞80件、土木賞44件だった。
日建連表彰は、優れた建築物を顕彰するBCS賞と、土木構造物のプロセスを重視する土木賞の2部門で構成する表彰制度。
2025年度で第66回を迎えるBCS賞には80件の応募があり、森ビルの超高層建築「虎ノ門ヒルズステーションタワー」(東京都港区)や清水建設の共創拠点「温故創新の森 NOVARE」(東京都江東区)、歌舞伎町に出現した次世代の都市観光拠点「東急歌舞伎町タワー」(東京都新宿区)、回遊型サッカースタジアム「エディオンピースウイング広島」(広島市)、スポーツホスピタリティー拠点「SAGA サンライズパーク」(佐賀県佐賀市)など15件を選んだ。
講評では「BSC賞の特色の一つは建築主、設計者、施工者による“三位一体”を重視するところにあり、今回も建築主の熱い想いを設計者、施工者がその技術や叡智(えいち)を結集して具現化した作品が多くあった。また近年、東京一極集中から地方分散の傾向にあり、裾野の広がりを窺わせる結果となっている」とした。
第6回土木賞は、44件の応募が寄せられた。第一次選考(書類による選考)を経て、第二次選考(技術専門委員による現地調査と応募者によるプレゼンテーション)の結果、「女川原子力発電所 防潮堤かさ上げ工事」(宮城県牡鹿郡女川町〜石巻市)や「千代田幹線整備事業」(東京都)、「日比谷線虎ノ門新駅(仮称)設置に伴う土木工事」(東京都港区)など12件のプロジェクトと構造物を選出した。
女川原子力発電所は、津波高さ23.1メートルを想定し、防潮堤を29メートルにかさ上げした。千代田幹線整備事業は、千代田区飯田橋から港区港南までの全長8.7キロの下水道幹線をシールド工事で整備。虎ノ門新駅は2015年12月に着手し、東京オリンピック・パラリンピック開催前に供用開始という短工期を順守した。
特別賞は、「新名神高速道路 信楽川(しがらきがわ)橋下部工事」(滋賀県)と「鳥越川1号砂防堰堤」(広島県)の2件。信楽川橋の工事は、急峻な高低差76メートル、斜度54度のインクラインを設置。鳥越川1号砂防堰堤は、豪雨災害後に現場学習会を通じた自然災害知識や防災意識向上、土木の魅力発信の取り組み。
日建連からは、「第1回〜5回と同様、土木賞のコンセプトの施工プロセスの視点からさまざまな課題に取組んだプロジェクトが選定された。各案件とも、その案件の有する課題を克服するために関係者が一丸となって取り組んだ施工プロセスで、新工法の採用や自動化施工、プレキャスト化などさまざまな工夫による工期短縮の実現、安全性の確保、地域住民との協働による防災対応などが評価された。高架橋床版取替えといったインフラメンテナンス事業も受賞している」とコメント。
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