建設現場では、3D点群スキャンして施工管理に活用する“デジタルツイン”の活用が広がっている。そうしたトレンドの中でレフィクシアは、スマホをセンチレベルの高精度測量機に進化させる次世代測位デバイスを提案する。3D点群スキャンや土量計算、座標ナビがスマホ1台で完結するだけでなく、AR投影で施工モデルを現実空間に重ね合わせる機能も備える。
i-Construction対応のGNSS-RTK端末などを販売するレフィクシアは、「第7回 国際 建設・測量展(CSPI-EXPO2025)」(会期:2025年6月18〜21日、幕張メッセ)で、スマートフォンに装着して高精度な位置情報を手軽に取得できるデバイスを出品した。
ブースでは「LRTK」の技術で、高精度な位置情報をリアルタイムで取得する関連ソリューションを展示した。
LRTKは、RTK-GNSSによる測量をレフィクシアがさらに進化させた技術だ。RTK-GNSS測位は、基準局と移動局の双方でGNSS電波を受信し、そのデータを比較することで位置を補正する。ただ、高価なハードウェアの初期費用が発生し、自前で基準局を設置する場合には保守も欠かせなかった。自前の基準点を置かない方法(ネットワーク型RTK)を利用する場合でも、補正データを提供する会社との契約が必要で、いずれにしても継続的な費用が掛かる。
その点、LRTKはコンパクトな端末で、労せずに誤差センチレベルの位置情報を取得できる。LRTKの製品ラインアップのうち、スマホに取り付けるアンテナ端末の「LRTK Phone」は厚さ1センチで重量も146グラムだ。GPSの他、GLONASS、QZSS(みちびき)、Galileoといった衛星に対応し、みちびきでは携帯電波の入らない場所でも使えるセンチ級測位補強サービス「CLAS」も利用できる。
特別な訓練は要らず大規模現場でもカメラを向けて歩くだけで、絶対座標のついた高精度点群が生成される。国土交通省の出来型管理要領に準拠し、納品までのサポート資料も提供している。
ブースでレフィクシア 代表取締役 高安基大氏は、「GPSは5〜10メーターぐらいの誤差があるが、LRTKなら1センチ精度で正確に測れる」と話す。高い精度は、その後の距離や面積の計測で有効に働き、施工品質にも影響する。
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