KK Generationが開発した「積算AI」は、設計図書をAIが解析して数量拾いや見積を自動化するカスタマイズ型AI SaaSだ。積算AIを活用した内装自動積算では、複数の設計図書(平面図、キープラン図、建具表、仕上げ表など)を横断的にAIエージェントが解析し、部屋別/部材別の数量を自動で集計する。
KK Generationは、AIで内装工事の積算業務を自動化する積算支援ツール「積算AI」のデモ動画を2025年7月23日に公開した。
KK Generationは東京大学の博士号取得者とマッキンゼー・アンド・カンパニー出身者らが創業したスタートアップ企業。日本の建設図面に特化して開発した独自のAI技術を基盤としている。2024年末に積算AIをリリースし、現在では約20社で活用されているという。
積算AIは、AIが平面図やキープラン図、建具表、仕上げ表といった複数の設計図書を横断的に参照して数量を拾い出し、解析するカスタマイズ型AI SaaSだ。
操作は図面をアップするだけで、床面積や壁長、建具の位置、巾木の長さ、仕上げ材の種別などを自動で読み取り、数量を部屋別、部材別に整理した上でExcel形式などで出力できる。読み取りはテキストや図形を統合的に認識し、企業ごとの積算業務の図面フォーマットや拾い対象、ルール、業務フローなどに合わせたカスタマイズも可能だ。対象は内装一式の他、外装、構造、設備、外構、仮設などにも対応している。
一連の流れは、まず平面図をアップすると、AIが部屋の領域と壁を検出し、壁の範囲や各部屋の床面積を算出して色分け表示する。手動での領域の追加や削除もできる。次に建具の検出ボタンで、AIがドアや窓の位置を認識。建具表の読み込みで、建具サイズをテキストや画像から正確な長さや面積の情報に変換し、巾木やクロスの施工面積を自動計算する。最後に仕上げ表のアップで、床材や壁材の情報に基づき、部材や部位ごとの仕上げ内容が一覧化され、Excelテンプレートなどに出力できる。
従来は、熟練の担当者が時間を掛けて拾い出していた積算業務が、図面のアップロードのみで完了する。そのため、作業時間の削減や精度の向上、属人的作業の排除などにつながる。
今回公開したデモでは、具体的な自動化のフローを確認できる。
KK Generationは、積算AIの他に、図面の整合性や適合性を自動化する「検図/照査AI」、設計図書や関連資料から必要な情報を抽出する「図面/資料検索AIチャット」、2D図面を自動ドラフトして2D図面からBIMを自動生成する「図面生成AI」などを提供している。
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