2011年の東日本大震災をきっかけに設立したテラ・ラボ。代表取締役の松浦孝英氏は、災害発生時の情報が錯綜した混乱状況を経験したことで、最新のテクノロジー活用で防災/減災を強化することを目指している。
テラ・ラボは、「Japan Drone 2025/第4回次世代エアモビリティEXPO 2025」(会期:2025年6月4〜6日、幕張メッセ)に出展し、2024年に発表したVTOL機「TERRA Dolphin VTOL」を展示した。テラ・ラボが滑走路の要らないVTOL(垂直離着陸機)機の開発に力を入れるのは、災害時でも離着陸の場所に困らず、長距離を高速で飛行できるからだ。
TERRA Dolphin VTOLは、2025年1〜3月に累計50時間の飛行試験で、機体の性能を評価した。以降もテストを繰り返し、Japan Drone 2025開催となった同年6月初頭の時点で合計70時間の飛行試験に達した。
VTOL機であっても、建物が密集した場所が多い日本では周囲への影響を配慮する必要があるため、飛行試験はタイで行っている。また、日本で長距離の飛行試験を安全に行うには、海上が主となるが、トラブル発生時には海に沈んでしまい、トラブルの原因究明ができない点もネックだった。
タイで100時間の飛行試験(距離で1万キロ)を終えた後は、日本に場所を移して目視外飛行を検証。日本では、25キロ以上のドローンを飛行させるには、“100時間以上の飛行に耐える耐久性”が求められる。
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