狭小点検ドローン専用車を開発、Liberawareと新明工業が業務提携ドローン

産業用小型ドローンの開発を手掛けるLiberawareと、特装車両の開発などを手掛ける新明工業は業務提携を締結した。Liberawareは能登半島地震や埼玉県八潮市で発生した道路陥没事故などの災害現場で、狭小空間点検ドローンによる調査実績を持つ。両社は今後、このドローンを用いた点検に特化した専用車両の開発などに乗り出す。

» 2025年07月22日 10時00分 公開
[BUILT]

 Liberaware(リベラウェア)と新明工業は、屋内外点検ドローンの社会実装と現場業務の効率化を目的とした業務提携に関する覚書を2025年7月1日付で締結した。

 両社の強みを生かした提携で、現場点検での作業負担の軽減、安全性の向上、点検精度の強化を目指す。

新明工業 代表取締役社長 近藤恭弘氏(左)、Liberaware 取締役 林昂平氏(右) 新明工業 代表取締役社長 近藤恭弘氏(左)、Liberaware 取締役 林昂平氏(右) 出典:Liberawareプレスリリース

 Liberawareはこれまで、狭小空間に特化した小型ドローン「IBIS(アイビス)」の開発と点検/データ解析サービスを通じて、社会インフラの維持管理分野に貢献してきた。一方、新明工業は、自動車関連事業や特装車両の開発/製造などで培った技術を生かし、現場の多様なニーズに応える製品づくりを推進している。

 今回の提携で、LiberawareはIBISやその他のドローンを活用した屋内外の点検サービスや機体販売、機体レンタルに加え、新明工業に対して営業支援や技術ノウハウの提供、オンサイトサポートを実施する。

 また、両社で「IBIS専用車両」の開発にも乗り出す。点検現場での課題を踏まえ、効率的かつ柔軟な現場作業を支援する車両を設計する計画だ。

 新明工業は、自社の顧客に、IBISや他のドローンを活用した屋内外の点検サービス、導入支援やマッチング、コミュニケーション支援などを展開し、IBISの導入拡大を図る。

IBIS専用車両イメージ IBIS専用車両イメージ 出典:Liberawareプレスリリース

 今後は、IBIS専用車両の早期実用化に向けたプロトタイプ開発を皮切りに、さまざまな点検現場での実証と改良を重ねて製品化を推進する。両社の顧客ネットワークも活用し、国内外のインフラや産業施設への導入を進め、ドローンによる点検の新たなスタンダードの確立を目標に据える。

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